石川県小松市にある「日本自動車博物館」は、国内外の貴重なクラシックカーからスポーツカーまでを個人が収集し展示する自動車博物館です。「ちょっと、集めすぎじゃない?」と心配になるぐらい、沢山の自動車が3階建の広大なフロアに並んでおり、タイヤの匂いとオイルのにおいが車好きの心をくすぐります。さらに、もう一つの見所は各階に設置された「世界のトイレ」。日本自動車博物館は自動車と同様にトイレも生活に欠かせない物として考え、世界中から便器を集め展示・使用できるようになっています。詳しい様子をお伝えします。

日本自動車博物館は福井県立博物館から車で約1時間で行ける場所に位置しています。館内がやけに豪華で誰が何の目的で博物館を始めたのかも気になります。
日本にここだけの希少な車も。日本最高レベルの展示数を誇る博物館

ホテルのロビーのように豪華絢爛な内装で駐車可能台数200台と広大な面積を有する自動車博物館。展示台数は500台(ミニカーだとしても凄い)で乗用車、商業車、外国のクラシックカーまで幅広く展示されています。世界に数台しかない希少な車も展示されており、車好きでなくともその凄さがわかる博物館です。
展示されている車は今の50代から60代が青春を謳歌したであろう昭和の乗用車が多く、館内を見渡すとお父さんだけがやけにテンションが高く、妻や子どもは飽きてる。そんな家族が沢山いました。





博物館は3階建てで、車の生産国やメーカーごとに車が並べられています。車がギチギチに並べられているため、個々の展示車両をぐるっと観察することはできない場所も多いですが、それだけ展示台数が多いということ。

ナンバープレートには生産国と製造年が記されています。

珍スポット感溢れる黄金の車

3階には日本自動車博物館が立地する石川県らしい「純金箔1000枚使用のゴールドカー」が展示されていました。金箔は全て手作業で施され、金沢市の職人が8年の歳月を費やし完成させました。洗車も可能で、スカート部分には加賀友禅の水鳥の紋様を描くこだわりよう。「世界に一台しかない」と案内板に記されていますが、「金箔を貼り付けた車を作ろうとする人がそもそもいない」とツッコミを入れたくなります。
普通の車じゃない!ロマンが詰まった珍車も目白押し
館内には「こんな車が発売されていたのか」と驚くデザインの珍車が多数展示されています。個人的に特に味わい深いと思った車をご紹介します。
近未来の車か!?トヨタ セラ

初代セラは、トヨタが1990年に発売した乗用車。迫力のバタフライウイングドア、そしてドアを閉めると窓ガラスが頭上にまで来る開放的なデザインが最大の魅力。ただし、日差しが頭上からモロ入りするので夏はサウナ状態でシートや内装が日焼けするのがキズ。たまごっちやアイボ、アシモに共通する平成期の近未来感溢れるフォルムが令和の今に見ても新しくて斬新だ。
可愛すぎる商用バン。日産 エスカルゴ

日産が1989年に発売した商用車「エスカルゴ」。ルーフが丸みを帯びており名前の通りのカタツムリのようなシルエット。ヘッドライドが内側に寄せられていて、目みたいで本当に可愛い。販売は2年間だけの受注生産方式で約1万台販売されました。
日本中でここだけの車も!?超希少な車の数々

九五式小型乗用車。第二次大戦中、日本陸軍の偵察・連絡用の小型自動車として使われた日本初の国産実用四輪駆動車です。今や日本に1台しか残っていない貴重な存在(ロシアに数台、アメリカに1台残っています)。

中華人民共和国製の紅旗。初代館長が中華人民共和国要人にコネクションを持っていたことから展示が実現。しかも中国の最高指導者を務めた鄧小平が実際に乗車したものというから驚きだ。
初代館長は北陸地方有数の実業家

これだけの台数を集めた館長はどんな人物なのか。その名も前田彰三。1978年(昭和53年)開館当時の石黒産業株式会社の社長であり、自動車愛好家。昭和の高度成長期にトラックなど実用車が使い潰される風潮を良しとせず、特に実用車の収集に力を注ぎ、個人のコレクションとして公開したことが日本自動車博物館のはじまりで現在も運営の母体は石黒産業株式会社です。
世界中から集められた便器の数々「世界のトイレ」

日本自動車博物館では、15カ国56台のトイレを展示・使用できるようになっています。それぞれの便器に国名が示され、形が千差万別で面白い。個人的にはベトナムの便器が日本の便器の半分ほどの小さなサイズだったことに驚きました。女性の方はトイレのスウェーデン、オーストリアの便器は装飾が豪華で必見です。

博物館の運営会社である石黒産業株式会社は、住宅設備機器の販売会社です。そんな背景もあって世界中から便器を集めることができたのでしょう。


アクセス
- HP:https://www.motorcar-museum.jp
繁雑期には駐車場にてクラシックカーの体験乗車なども行われます。 - 住所:石川県小松市二ツ梨町一貫山40 詳しい場所をGoogleマップで確認する。
- 電話番号:0761-43-4343
- 入場料大人(高校生以上) 1,200円
小人(小・中学生) 600円
幼児無料 65歳以上 1,000円(要年齢証明)
※ 障がいのある方(要証明)大人600円 小人300円 付添1名も同額
※団体割引(15名以上)大人1,000円 小人500円 - 営業時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
- 休業日:水曜日(祝日の場合は開館)※年末年始12月26日~12月31日
- アクセス加賀温泉駅から加賀周遊バス キャンバス山まわり線 → 日本自動車博物館バス停からすぐ加賀温泉駅から約8.6km 北陸自動車道 片山津ICから約11.2km北陸自動車道 加賀ICから約14.5km
- 駐車場乗用車 200台 バス 50台公式サイト