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【京都ミステリーツアー】伏見稲荷の禁断裏ルート:神隠しに遭いそうな御塚群と衝撃グルメ「スズメの丸焼き」

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ボロボロの狐と鳥居の写真 京都府
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朱色の千本鳥居がどこまでも続く世界屈指の観光名所・伏見稲荷大社。実は参拝者の9割以上が「ゴール」と思しき奥社奉拝所で引き返してしまうことをご存知でしたか? しかし伏見稲荷の本当の奥深さ、ちょっぴりミステリアスな魅力はその先にこそ隠されているのです!
奥社の先には「御塚」と呼ばれる無数の小さな祠が山中に点在し、聞いたことがない名前の神々が雑然と祀られています。今回ご紹介するのは、そんな神秘的な御塚群を巡る秘密の「裏ルート」。一歩足を踏み入れれば「神隠し」にでもあいそうな静寂と濃密な空気に包まれた空間が広がります。さらに記事後半では11月~2月頃の冬限定で味わえるという伏見稲荷の**衝撃名物「スズメの丸焼き」**も実食レポート!

不屈のブルースチェン(ライター)
不屈のブルースチェン(ライター)

知られざる伏見稲荷のディープな魅力と驚きのグルメを臨場感あふれる写真と共にお届けします。

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【伏見稲荷・裏ルート探訪】滝と苔むす御塚、朽ちた鳥居が織りなす幽玄で神秘的な世界

ボロボロの狛狐

伏見稲荷大社の知られざる「裏ルート」に足を踏み入れると、まず心を奪われるのが「弘法ヶ滝」や「青木ヶ滝」をはじめとする大小さまざまな滝の存在です。その清らかな水音と湿気に包まれた周辺には深い苔に覆われた無数の「御塚」がまるで森の精霊のようにひっそりと点在しています。薄暗い木々の間に佇む、風雪に耐え古びた鳥居や狛狐の姿は不気味でありながら神秘的な雰囲気を醸し出しています。無数の御塚郡は「何十年もの間、まるで時が止まっているかのよう…」そんな錯覚さえ覚えるほど、神秘的で不思議な魅力に満ち溢れています。

御塚群

これらの御塚の多くには「〇〇大神」といった耳したこのない、未知の神様の名前が刻まれています。ほとんどの御塚や鳥居は古びて苔むし自然に還ろうとしているかのように見えますが、時折、荒廃した風景の中に不釣り合いなほど鮮やかな朱色の鳥居が混じり強烈な色彩のコントラストが、どこか毒々しく異様なまでの不気味さを際立たせているのです。それは、今もなお誰かの手によって大切に手入れがなされ、篤い信仰がひっそりと生き続けている確かな証です。

【伏見稲荷・裏ルート完全ガイド】奥社奉拝所の先!「京都一周トレイル」看板が秘密の入口!服装と注意点

草鞋が備えられている風景

伏見稲荷大社の奥深さを真に体験できる、知る人ぞ知る「裏ルート」。ここではスタート地点と進み方をご紹介します。初めの目印は奥社奉拝所。奥社奉拝所へは通常の順序通りに歩いていくと到着する場所です。(おもかる石がある所)
ほとんどの観光客は急な階段を登りゴールっぽい奥社奉拝所で「おもかる石」を体験して引き返してしまいますが、実はここまで来ても伏見稲荷全体の道のりからすれば、まだ3分の1にも達していません!奥社の先も、表参道は鬱蒼とした森の中へと朱色の鳥居が延々と続いていきますが、今回ご紹介する裏ルートはそこから少し脇へ入った道を進みます。

奥社奉拝所を過ぎ、ほんの20メートルほど表参道をそのまま進むと右手に「京都一周トレイル」と記された控えめな木の看板が見えてきます。ここが分岐点。この看板が示す方向に進むと、そこがまさに「裏ルート」の入り口です。

鳥居が途切れた場所にある横道の写真
この「京都一周トレイル」という看板が目印

通常の千本鳥居をくぐって進むルートを「表ルート」とするならば、「裏ルート」に入るとパッタリと人通りがなくなります。鳥居に沿って進むというのが人間の心理なのか、鳥居のない横道を進む人はほぼいません。一気に静寂と神秘の世界へと誘われます。

不屈のブルースチェン(ライター)
不屈のブルースチェン(ライター)

この裏ルートは観光客向けに整備された表参道とは異なり、道が悪く険しい箇所も含まれるため、散策には動きやすい服装と歩き慣れた靴が必須です。

裏ルートの竹林の風景

裏ルートのクライマックス!分岐点「狐の手酌水」と最大級の御塚群「御膳谷」へ

通常のルートにある鳥居

伏見稲荷大社の裏ルート探検は冒頭でお伝えした小さな滝や苔むした御塚群を過ぎると、一度は多くの参拝者で賑わう表のルートに合流します。しかし、本当のクライマックス、そして最もディープな領域は実はこの先に待ち受けています。再び現れる分岐点、「狐の手酌水」を目印に、そこから少し進んだ先の左手に広がるのが、御塚が密集するエリアの中でも最大規模を誇る「御膳谷」です。

狐が口から水を出している様子

神々の食事が捧げられた聖地 – 「御膳谷奉拝所」の由緒と稲荷信仰における重要性

御塚周辺の景色

この御膳谷は伏見稲荷大社の公式ホームページにも「御膳谷奉拝所」としてその情報が記載されており、神体山である稲荷山の信仰においても極めて重要な場所とされています。

ここは御前谷とも記され、稲荷山三ヶ峰の北背後にあたり、往古はここに御饗殿(みあえどの)と御竈殿(みかまどの)があって三ヶ峰に、神供をした所と伝えられています。
<参照>
御膳谷奉拝所|伏見稲荷大社スマホサイトhttp://inari.jp/sp/map/spot_15/

観光客ゼロの秘境!御膳谷を埋め尽くす無数の御塚と「神隠し」に遭いそうな神秘体験

御膳谷の写真
御膳谷の様子

御膳谷は由緒ある聖域でありながら多くの人々が殺到する伏見稲荷大社の中にあって、観光客の姿はほとんどありません。谷筋に沿っておびただしい数の御塚が視界を埋め尽くすように立ち並ぶ光景はまさに壮観の一言。あまりの静寂と、どこかこの世ならざる濃密で重厚な空気にまるで自分だけがこの異世界に取り残されてしまったかのような感覚におちいり「神隠しに遭ってしまうのではないか」という、恐怖すら覚えるほどでした。

【伏見稲荷の謎】1万基超の石碑「御塚信仰」とは?神仏分離が生んだカオスで奥深い神々の聖域

伏見稲荷大社の山中に無数に点在する苔むした石碑群「御塚」。これらは一体何なのでしょうか? 御塚とは、個人や団体、あるいは企業などが、それぞれが篤く信仰する「〇〇稲荷大神」といった神様の名前を石に刻み、この聖なる稲荷山に奉納したものを指します。稲荷山全体で自分の信じる神様をお祀りする――この独特の風習を「お塚信仰」と呼び、現在、稲荷山に存在する御塚の数は、なんと一万基を超えると言われています。

しかし、このお塚信仰がさらに興味深いのは明治初期に行われた「神仏分離」政策との意外な関係です。当時、神仏混合の形態をとる宗教は「神道か仏教か」という厳しい選択を政府から迫られました。その際、行き場を失いかけたり無理にどちらかの枠に押し込められたりした多様な神々や信仰の形が懐の深い稲荷山の「お塚信仰」というシステムの中に受け入れられ、組み込まれていったというのです。御塚に刻まれた神様の名前をよく見ていくと、純粋な稲荷信仰の系統とは異なるルーツを持つと思われる神様も数多く見受けられます。この無数の石碑が林立し、多様な神々が共存する風景は単に壮観であるだけでなく、日本の神道が持つ奥深さや、様々な信仰を包み込んできた歴史を物語る、極めて珍しく貴重な景色と言えると思います。

<参照>
京都・伏見稲荷の裏山に広がる想像を超えた世界! カオスすぎる“宗教モザイク地帯”の真実 webムー 2023.01.06 文・写真=小嶋独観 https://web-mu.jp/column/8691/
Wikipedia伏見稲荷大社 https://ja.wikipedia.org/wiki/伏見稲荷大社#稲荷山

伏見稲荷の衝撃グルメ!裏ルート探訪の後に食す、名物「スズメの丸焼き」とは?

伏見稲荷大社の裏ルート探訪で心と体を動かした後は、勇気を出して“食”の珍体験に挑戦してみてはいかがでしょうか? 参道で出会える、知る人ぞ知る伏見稲荷の衝撃名物、それが「スズメの丸焼き」です! そう、あのチュンチュンと可愛らしく空を飛ぶ、私たちにも馴染み深い小鳥のスズメがそのままの姿で香ばしく焼き上げられているのです。

なぜ伏見稲荷でスズメが名物になったのか? 一説には、五穀豊穣の神様として篤い信仰を集める稲荷大神にとって、その大切な五穀を食べてしまうスズメは少々厄介な存在。そこで、スズメを“退治”する意味合いも込めて、この「スズメの丸焼き」が名物として根付いたと言われています(ただし、これには諸説あるようです)。

<参照>
伏見稲荷になぜスズメの丸焼きがあるのか–その理由で味わい深さが変わった マイナビニュース 2017/07/27 文=松永早弥香 https://news.mynavi.jp/article/20170727-fushimi/

どこで食べられる?スズメの丸焼き提供店と、ありつくための重要注意点

この歴史ある(そして少々勇気のいる)スズメの丸焼きを提供しているのは主に参道沿いの「日野家」さん、「祢ざめ家」さん、そして今回私たちが訪れた大正12年(1923年)創業の老舗「稲福」さんの3店舗です。

稲福の店構えの様子
稲福の様子

ただし、この貴重な珍味にありつくためにはいくつか押さえておくべき重要な注意点があります。まず、スズメは数に限りがあるため、特に週末などは早い時間帯に訪問するのがおすすめ。そしてスズメの狩猟期間が例年11月中旬から翌年2月中旬頃までの約3ヶ月間と限定されていること。つまり、一年中いつでも食べられるわけではない、冬期限定の特別な味覚なのです。今回は運良くシーズン中に訪れることができ、「稲福」さんでいただくことにしました。

「見た目はグロい、味は…?」稲福でスズメの丸焼き(1羽500円)を実食正直レポート!

スズメの丸焼きの姿

「稲福」さんの店内でスズメの丸焼き(1羽500円)を注文し焼き上がりを待つことしばし。ついに目の前に運ばれてきたのは…まさに、スズメが小さな鳥の形そのままに串刺しにされ、こんがりと焼き上げられた、かなり衝撃的なビジュアル!「うわっ、結構グロいな…本当に鳥の形そのまんまだ…」というのが偽らざる第一印象でした。

覚悟を決めて一口いただいてみると、そのお味は…骨が多く、少しクセのある鳥レバーを骨ごとしゃぶっているようなワイルドな味わいでした。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、話のネタには間違いなくなるはずです。

アクセス

伏見稲荷大社の場所をGoogleMapで確認する
〒612-0882
京都府京都市伏見区深草藪之内町68
075-641-7331

駐車場あり
(普通車250台、料金/無料)

まとめ

朱色の鳥居がどこまでも連なる、あまりにも有名な伏見稲荷大社。しかし、その華やかで多くの人々を魅了する表の顔のすぐ奥には、訪れる人もまばらな、静かで神秘的な「裏ルート」と、そこで出会うことができるディープな信仰の世界、そして度肝を抜かれる名物グルメが隠されていました。
苔生した無数の御塚群が醸し出す幽玄な雰囲気、名も知らぬ神々との静かな対面、そして稲荷信仰の原点とも言える神聖な御膳谷の圧倒的な光景は、まさに**“もう一つの伏見稲荷”**と呼ぶにふさわしいものでした。明治時代の神仏分離という歴史的背景が、現代の私たちに多様な信仰の形を今もなお見せてくれていることにも、深い感慨を覚えます。
そして、冬の伏見稲荷を訪れるなら一度は(勇気を出して?)試してみたい、**衝撃の名物「スズメの丸焼き」**は、そのビジュアルと独特の風味で、あなたの五感を強烈に刺激し、忘れられない旅の記憶となることでしょう。
伏見稲荷大社は、ただ美しいだけでなく、訪れるたびに新しい顔を見せてくれる、実に多層的で奥深い魅力に満ちた場所です。きらびやかな千本鳥居の感動はもちろんのこと、少し勇気を出してその奥へと足を踏み入れることで、京都という古都が持つ、さらにディープな精神性やユニークな文化に触れることができるはずです。この知られざる伏見稲荷体験が、あなたの京都旅行をより忘れられない、豊かなものにすることを願っています。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。