境内を埋め尽くすおびただしい数の日本人形、そして招き猫…!?。
和歌山県加太にある「淡嶋神社」は全国でも有数の人形供養の神社として知られています。古くから婦人病の回復や安産祈願など女性に関するご利益で篤く信仰され、境内にはなんと女性用の下着までも奉納されています。
それだけでも珍しい光景なのに、その周りにはなんと男性器をかたどった像も。
この記事では、日本屈指のディープな神社「淡嶋神社」の見どころと
毎年3月3日の雛祭りに開催される「雛流し」の神事について詳しくご案内します。
- 【淡嶋神社は怖いだけじゃない!】実は観光客で賑わう人気スポット!
- 人形供養の総本社「淡嶋神社」 – 境内を埋め尽くす規則正しくも異様な人形の群れ
- 髪が伸びる人形の噂も…!? 拝殿で見つめられているような恐怖と心霊スポットとしての顔
- まるで人形の博物館!日本人形から招き猫、民族仮面まで集う“人形の集落”
- 境内奥の聖域へ…「撮影禁止」と「下着奉納」の注意書きが示す、特別な祈りの場
- なぜ下着や男根が?ご祭神「淡島神」の伝説と女性を救うご利益の秘密
- 3月3日「雛流し」の様子を徹底レポート。何時に行けば良い?見どころは本殿を埋め尽くす5000体の雛人形
- 女性たちの手で海へ…「雛流し」の厳かな流れと悲鳴が上がるほどの真剣な道のり
- 流された人形たちの“その後”と悪天候時の対応「雛納祭」
- 【雛流し攻略】神事は12時から!でも“11時半到着”がおすすめな理由
- なぜ人形供養の聖地に?航海の安全を願う海の民の祈りがその起源
- 「見てもらうことも供養」– 淡嶋神社の想いと美しく並ぶ人形たち
- USJホラーナイト炎上事件 – “供養”か“冒涜”か?物議を醸した人形貸し出し問題の真相
- 【事実と噂】淡嶋神社「宮司の死」と、ネットで囁かれる“人形の祟り”について
- アクセス
- まとめ
【淡嶋神社は怖いだけじゃない!】実は観光客で賑わう人気スポット!

「たくさんの人形が並ぶ神社」と聞くと、怖いイメージを持ってしまうかもしれませんが、ここ淡嶋神社が位置する加太港付近は
釣りや海水浴などを目的に多くの観光客で賑わう人気スポットです。
人形供養の総本社「淡嶋神社」 – 境内を埋め尽くす規則正しくも異様な人形の群れ

淡嶋神社は、全国に約1000社あるとされる淡嶋神社の総本社という由緒正しい神社です。
そして、この神社を最も有名にしているのが「人形供養」。
全国各地から役目を終えた節句人形やぬいぐるみなどが絶えず奉納され、ここで手厚く供養されています。
境内に足を踏み入れると、まずその光景に誰もが圧倒されるはず。本殿をはじめ様々な場所に無数の人形たちが驚くほど規則正しくびっしりと並べられています。
髪が伸びる人形の噂も…!? 拝殿で見つめられているような恐怖と心霊スポットとしての顔

拝殿の左右には、ずらりと日本人形たちが並べられていました。
ガラス玉のように涼しげな瞳が一斉に同じ方向を向いている光景は心霊的な雰囲気があって背筋がゾクゾクしてきますね。
こうした独特の光景から「人形が夜中に動く」「中には髪が伸び続ける日本人形がいる」といった数々の怖い噂も生まれ、淡嶋神社は全国的に有名な心霊スポットとしても知られています。

まるで人形の博物館!日本人形から招き猫、民族仮面まで集う“人形の集落”

さらに境内を見渡すと、古くなった干支の置物、無数の招き猫、さらには海外旅行で購入したものを奉納したのか世界の民族仮面まで、ありとあらゆる種類の人形や置物が大集結しており、さながら野外人形博物館のようです。



境内奥の聖域へ…「撮影禁止」と「下着奉納」の注意書きが示す、特別な祈りの場

淡嶋神社の境内をさらに奥へと進むと、ひときわ静かで厳かな空気に包まれたお堂がひっそりと佇んでいます。
その前には「撮影禁止」。そして「下着を納める方は格子の中へ投げ入れてください」という思わず二度見してしまうような、驚きの注意書きが掲げられていました。
おそるおそる格子の中から中を覗き込むと、そこには山のように積まれた男性シンボルの木彫りとおびただしい数のビニール袋が。
この袋こそ全国の女性たちから奉納された下着。(袋は中身が見えないよう色付きのものが使われており、どんなデザインのパンツが納められているのかは確認できません。そりゃそうですよね)。この独特の光景こそ、淡嶋神社が持つ信仰の深さを物語っています。
なぜ下着や男根が?ご祭神「淡島神」の伝説と女性を救うご利益の秘密

一体なぜ、神聖な神社に女性の下着や男性器の像が供養されているのか?
その理由は、ここに祀られる「淡島神」の伝承に由来しています。
淡島神は婦人病を患い島流しにされたという悲しい物語を持つ神様です。
そのことから、婦人病平癒や安産・子授けといった女性特有のあらゆる“下の病”や悩みを救ってくれる神様として古くから篤く信仰されてきました。
かつては祈願のために、生命力の象徴である男根形や自身の分身である髪の毛などが奉納されていましたが、時代と共に祈りの形が変化し自らの身代わりとして病を託すように身に着けていた下着を奉納するようになったと伝えられています。
一見奇妙に思える光景の裏には、女性たちの切実な祈りと神様との深い繋がりがあるのです。(参照:Wikipedia 淡嶋神社)
3月3日「雛流し」の様子を徹底レポート。何時に行けば良い?見どころは本殿を埋め尽くす5000体の雛人形

淡嶋神社では、毎年3月3日のひな祭りの日に「雛流し」という神事が行われます。
これは、全国から奉納された約5,000体もの雛人形が本殿に並べ、祝詞を唱えた後、舟に乗せ海へ流すという神事です。
由緒ある神事ではありますが、無数の人形たちが静かに海への旅立ちを待つ姿は、淡嶋神社ならではの特異でどこかミステリアスな雰囲気を放っています。
ここでは、その雛流しの様子や見どころ、そして訪れる際の注意点をご紹介します。

女性たちの手で海へ…「雛流し」の厳かな流れと悲鳴が上がるほどの真剣な道のり

雛流しの神事が始まるとまず、神職による厳かなお祓いと祝詞奏上が行われます。
その後、巫女さんたちの手によって人々の願いが込められた形代(かたしろ)という紙製の人形が海へと旅立つ白木の小舟に一枚一枚丁寧に撒き入れられ、続いて約200体の代表の雛人形たちが一体ずつ大切に乗せられていくという流れです。
小さな小舟に山盛りに乗った雛人形たちは、お神輿の土台のように組まれた木に乗せられるのですが、とても重そう。何人もの男性が協力して作業をしていました。

そして準備が整うとこの神聖な船を担ぐのは、なんと一般の参加者の女性たち。神社のスタッフが、その場で観覧していた女性たちに運び手にならないかと声をかけます。
さっきまで、男性数人が精一杯な表情で運んでいたこの小舟。しかも、この神事を見にきている女性は高齢の方ばかり「大丈夫か?」と心配していましたが、沢山の女性たちによってお神輿のように威勢よく担がれました。
淡嶋神社から約1キロ離れた海岸まで運ぶといいます。
境内の急な階段を下りる際には船の重みで先頭を担ぐ女性から思わず苦しそうな悲鳴が上がっていましたが、無事運ばれていきました。
流された人形たちの“その後”と悪天候時の対応「雛納祭」
海へと流された雛人形たちは、人々の厄災を背負ってそのまま海に流してそのまんま、というわけではありません。
実は沖合で待機していた船によってその後すべて丁寧に回収され、後日、境内でお焚き上げされることでその役目を終え丁重に供養されます。
ですので、雛流し当日に雨が降ったり海が荒れていたりして船を出すのが危険な場合は神事は延期となります。その際はお祓いなどを行い、船を海まで運ぶところまでを行う「雛納祭」のみが執り行われ、後日海へ流す神事が行われることになっています。
【雛流し攻略】神事は12時から!でも“11時半到着”がおすすめな理由
雛流しの神事は例年お昼の12時から始まります。
もし時間に余裕があるならば少し早めに到着することをおすすめします。
というのも例年11時30分頃から地元の保育園のかわいらしい園児たちが元気いっぱいの歌を奉納する時間があるからです。
雛人形たちがずらりと並ぶ前で繰り広げられる可愛い歌声も見逃せない貴重な見どころの一つです。
なぜ人形供養の聖地に?航海の安全を願う海の民の祈りがその起源

なぜここ淡嶋神社で、これほど多くの人形が供養されるようになったのでしょうか?
その起源は、この神社が古くから航海の安全や大漁を願う、海の民の篤い信仰を集めてきたことと深く関係しています。
かつて人々は、人の形をした人形に魂が宿ると信じ自らの厄を託して身代わりとして海に流し、航海の安全を祈願していました。
この人形に祈りを込めて海へ送り出すという風習が時代と共に発展し、役目を終えた様々な人形の魂を鎮め感謝を伝える「人形供養」という現在の形になったと言われています。(参照:淡嶋神社公式HP)
「見てもらうことも供養」– 淡嶋神社の想いと美しく並ぶ人形たち

淡嶋神社の人形供養には「見てもらうことも供養の一環」という想いがあります。
「人形は見てもらったり遊んでもらったりするために生まれてきた」ものなので、多くの人の目に触れる機会を作ること自体が人形たちにとっての喜びであり供養になると捉えられているのです。
確かに境内に種類ごとに美しく整然と並べられた人形たちの姿を見ると神社がいかに一体一体を大切に扱っているかが伝わってきますね。
USJホラーナイト炎上事件 – “供養”か“冒涜”か?物議を醸した人形貸し出し問題の真相

しかし、この「見てもらうことも供養」という想いは2016年に大きな物議を醸しネット炎上へと発展しました。
問題となったのは、淡嶋神社が600体以上の日本人形を、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の期間限定イベント「ホラーナイト」に貸し出したこと。
貸し出された人形たちは迷路型お化け屋敷「祟(TATARI)~生き人形の呪い~」のアトラクション内で、恐怖を演出する小道具として使用されたのです。
この出来事が炎上した主な理由は二つ。一つは、全国から供養のために奉納された大切な人形を元の持ち主の許可なく商業的なホラーイベントに貸し出したこと。そしてもう一つは、以前から確執があったとされる日本人形協会から「日本人形を呪いや祟りといった恐怖の対象として扱うことは、業界全体のイメージを損なう」という厳しい抗議文が送付されたことでした。
神聖な供養と、商業的なエンターテイメントの境界線を巡る、非常に難しい問題ですね。(参照:ダイヤモンド・オンライン 2016.10.21記事)
【事実と噂】淡嶋神社「宮司の死」と、ネットで囁かれる“人形の祟り”について
2016年のUSJホラーナイトへの人形貸し出し、そしてネット炎上。この一連の騒動の後、淡嶋神社を巡るミステリアスな噂はさらに加速します。インターネットで検索すると、「淡嶋神社 宮司 死亡」という、不穏なキーワードが候補に現れるのです。
これはUSJに人形を貸し出した当時の宮司(4代目宮司・前田光男)が、実際に2017年2月にお亡くなりになったという事実に基づいています。
USJの件からわずか数ヶ月後の出来事だったためネット上では「人形の祟りではないか」「呪いだ」といった憶測が飛び交い、一種の都市伝説として広まってしまいました。もちろん、亡くなられた宮司様と人形の貸し出しとの間に科学的な因果関係はありません。
アクセス
住所:〒640-0103 和歌山県和歌山市加太118
拝観:9:00~17:00 無料
TEL:073-459-0043
淡島神社の詳しい場所をGoogleMapで確認する
まとめ
和歌山県加太に佇む「淡嶋神社」。今回は、人形供養の総本社として知られるこの神社の、ミステリアスで、ちょっぴり怖く、そしてどこまでも深い魅力に迫りました。境内を埋め尽くすおびただしい数の人形たちが醸し出す、異様で、しかしどこか神聖な空気。「髪が伸びる人形がいる」といった心霊の噂が囁(ささや)かれる一方で、この神社は古くから婦人病平癒や安産祈願など、女性のあらゆる悩みに寄り添う、慈愛に満ちた場所でもあります。境内奥のお堂に、下着や男根像が人々の切実な祈りと共に奉納されている光景は、その象徴と言えるでしょう。毎年3月3日に行われる幻想的な**「雛流し」の神事は、人形たちへの感謝と、人々の願いを海へと託す美しい伝統行事。その一方で、USJへの人形貸し出しが大きな物議を醸したように、「見てもらうことも供養」という神社の独自の哲学は、時に私たちに信仰とエンターテイメントの境界線**とは何かを問いかけます。淡嶋神社は、ただ人形が沢山ある、あるいは少し怖いだけの場所ではありません。そこには、航海の安全を願った海の民の祈り、女性たちの切実な願い、役目を終えた人形への感謝、そして現代社会における信仰のあり方まで、実に多様な物語が幾重にも重なり合っています。大阪や和歌山からも日帰りで気軽にアクセスできる、この日本屈指のディープなパワースポット。次に和歌山を訪れる際には、ぜひこの淡嶋神社で、あなた自身の目で、心で、その不思議な空気感と、そこに込められた人々の想いに触れてみてください。きっと、あなたの旅の記憶に、忘れられない強烈で奥深い1ページを加えてくれるはずです。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。


