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イタコの口寄せが本当かどうか確かめてきた(体験談)【恐山】

極楽浜 青森県
ブルースチェン

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京都府在住で32歳。趣味は格闘技観戦と観葉植物を育てること。

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霊を自分の体に憑依させ、この世の人々と語らうことのできる「イタコ
中でも恐山のイタコが特に有名で、日本全国各地から沢山の人がイタコと会うために恐山を訪れる

しかし私は正直、うたがっています。イタコの存在を・・・!

「イタコの嘘を見破ってやる」という気持ちで、イタコの口寄せをこの目で確かめてきました

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恐山大祭に合わせての訪問がおすすめ。イタコはいつもいるわけではない

7月の恐山大祭にあわせて訪問しました
恐山に行けば必ずイタコに会える訳ではなく、こういった催しのある日にイタコが恐山にやってくるのだ

受付の様子
今日は7月21日。写真右に記されている恐山大祭の期間だ
山門の様子
入山料を支払い入場。かっこいい大門だ

恐山の催しがない日にイタコがいる場合もある。以下ブログで確認することができます

最後のイタコ 松田広子のオフィシャルホームページ https://www.itako.net

「青いテントの中でイタコが口寄せをしている」と口コミ情報を見て来たけれど、大雨の日だからかな。恐山入って直ぐの休憩所で行われていました

休憩所の様子は古い公民館の畳スペースといった感じ。20人程が布団を敷いて寝ることができそうな広いスペースの建物だ

その隅にD IYで組み立てたであろう簡易的な細い木の柱が天井に打ち込まれていて、透明のビニールカーテンで空間が仕切られている

休憩所の様子
恐山感はない休憩所。中にお手洗いがある
休憩所横
休憩所近くの風景。すごい人の数だ
イタコの口寄せと書かれた看板
お!看板だ。休憩所の中に入る

いた!!あの人がイタコか!!

上記ブログのイタコではなさそうだ。イタコを前に、20程のパイプ椅子が横並びしており、沢山の人で溢れている

こりゃめっちゃ待たないといけないぞ。もう少し散策をしてから来ようと

恐山の見どころ

休憩所を抜け、境内を散策。しばらく進むと、かなり硫黄の臭いがキツくなる
めっちゃくさい!!でも癖になる匂いだなあ

温泉の様子

温泉が境内にあり、身体を清めてからお参りすることができる。
温泉は黄色味がなくエメラルドブルー。シャワーがないので、湯船からあがった体を冷水で洗い流しました。夏とはいえ寒かった。でもめちゃくちゃ気持ち良い温泉でした

男湯の風景
山門抜けてすぐの所にある温泉。溝の黄色くなったところは硫黄成分だろうか
温泉の様子
女湯の様子。柱が立っている
妻に女湯を撮影してもらった。人はいない。桶の色がかわいいね。男湯にはない柱がある

地獄と呼ぶにふさわしい風景

風呂に入った後、さらに境内を散策。荒涼とした風景が広がる。まさに地獄と呼ぶにふさわしい風景だ

足元が不安定なので底が厚い靴の訪問がおすすめです

まさに地獄
所々にある風車が独特な雰囲気を醸し出している
重罪地獄の様子
湯気がモクモク立ち上がる重罪地獄
沢山の風車
風車は幼くして亡くなった子どもたちの霊を慰めるために立てられている
ガスで線香が爆発する恐れがある旨が書かれた看板
めっちゃ危ないやんけ

美しすぎて不気味な宇曽利山湖

さらに進むと「宇曽利山湖」に到着
先ほどの景色とはうってかわり、天国のような風景だ

天国と地獄のコラボである

極楽浜
鮮烈的な美しさ。美しすぎて不気味ささえある
お供えの数
お供えも沢山並べられていた

宇曽利山湖はカルデラ湖だ。アイヌ語で窪んだ土地を意味する「ウシュロ」が転じて、うそり山、さらに転じて恐山と呼ばれるようになったと言う説がある
他にもイタコの語源はアイヌ語の「イタク(語る)」と言う説もある

東日本大震災犠牲者追悼の地蔵菩薩。震災以降イタコに会いにくる人が増加している

敷地外ではあるが、恐山駐車場までの道中にある「三途の川」も合わせて訪問したい。車で行くと通り過ぎてしまうような場所にありました

三途の川の様子
三途の川って本当にあるんだ
宇曽利山湖から流れ出る水がとても綺麗だ
奪衣婆の写真
麓に建てられた奪衣婆の顔。死者の服を剥ぎ取り罪の重さを量ると言われている

いよいよイタコと対面

散策を終えると時刻は午後4時15分。人の数がかなり減っている。これならもう少し待てば、イタコと対面できそうだ。30分待ちで自分の番になり、ようやくイタコと対面。「よろしくお願いします」と挨拶をして間仕切りされたスペース内に入る。かなり沢山の人が座ったのであろう、イタコの前の畳がすり減っている

誰を口寄せしたいのか、命日はいつかという2つの質問を受ける
最近亡くなった祖父に「今幸せに生きれているのはじいちゃんのおかげだよ」とお礼を言いたいと伝えると「静かになったら話し掛けてください」と返答。いよいよ始まる…

正座した高齢の女性が身体を背中を丸め、動物の牙や骨がついた通常の10倍はあろう数珠を手のひらで揉むように鳴らしながら、身体をユラユラ揺らしている。「極楽の~」「花の月夜の」等の言葉が入った歌念仏?呪文?が始まる
ジャガジャガジャガ

段々とトランス状態に入っていっているようだ。数珠のリズムがさらに高まったと思ったらスンと歌が終わる。静寂。そして体がビクんと動く。どうやら口寄せ成功のようだ
果たして注目の第一声は・・・??

「孫や元気にしていたかい??」
ズコー!!孫を孫と呼ぶかね!?普通、名前で呼ぶやろ。返答せずにいると「良い人を見つけたね。お母さんから聞いているよ」と話が始まる。結婚指輪から、最近結婚したことを推測したのかな。「そうだよ。久しぶり」と返答する
しかし会話は弾まない。なにを話せば良いかわからないからだ

「ジャガ」とイタコが数珠を鳴らす。
「孫と会えて嬉しい」「身体に気をつけてね」等と憑依状態のイタコが話を続けてはくれるが「俺も嬉しい」「元気でやってるよ」ぐらいの言葉しか返せない
「ジャガジャガ」数珠を鳴らす間隔が徐々に短くなっていく。後から気づいたのだが、この時折、鳴らす数珠の音は終わりまでのカウントダウンを示す物なのである

会話が弾まなくなったタイミングで「ジャガジャガジャガ」また歌が始まり、最後にはイタコが意識を取り戻し終わってしまった

4000円を支払いお辞儀をして終了。長く待っていた間、他のお客さんの支払額も見てきたが4000円がイタコ相場の値段らしい。体験としては面白かった
実は並んでいる最中、他の人たちの口寄せも見ていたのだが、何人か断られている人がいた。自分も断られるかと不安だったけど、無事祖父と会えて良かったとは思う

イタコの口寄せを終えての感想

口寄せを待つ人間、イタコをとおして故人に会いにきた何十人の人の会話やその様子を見ていて感じたことがある

それは目の前のイタコに会いたい人が本当に憑依しているかどうかは関係がないということである

「身体に気を付けて」「足下に気を付けるんだよ」等と抽象的なことしか話さないイタコを前にして泣いてすがり付く人々

上手く表現するのが難しいがイタコが故人を口寄せをしているというよりも

訪れた人たちがイタコに故人を映し出しているといった様子の方が強いように感じた

「自分の息子に最後のお別れを言いたい」「亡くなった妻にまた会いたい」等と話す遺族達。その思いは想像を絶する物があるはずだ。そんな思いを解決できるのなら神秘的な物だとしても、本州最果ての地に行く必要があるにしても、何かにすがりたいと思う心情には激しく共感ができる

イタコは現代の所で言うカウンセラー的要素を含んだ存在なのかもしれない
その懐の深さにイタコの口寄せが本当か嘘かなんてどうでも良くなった

社会の情報化や科学の進歩により私たちの生活様式は激変したが、イタコに代わる、心の空白を埋める何かを我々はまだ見つけられていない

以上です
最後までご覧いただきありがとうございました

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アクセス

住所:青森県むつ市大字田名部字宇曽利山3-2
TEL:0175-22-3825
営業時間:午前6時〜午後6時間で開山
     毎年5月1日〜10月31日の間で開山
料金:個人大人500円/人 小学・中学生200円/人
駐車場有(無料)

参考文献

佐藤健寿『奇界遺産3』株式会社エクスナレッジ 2021年

佐藤健寿『世界不思議地図THEWONDER MAPS』朝日新聞出版 2018年

下北半島ナビhttps://simokita.org/sight/osore/

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