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運営理念は素晴らしいが怪しさ満点のヤバい公園【太陽公園】

兵庫県

姫路市にある太陽公園は日本にいながら世界の観光地を巡ることができるテーマパークです。「凱旋門」「兵馬俑」「ピラミッド」などの名所が再現されているのですが、やけに石像の数が多かったり、像の表情が手作り満載で目がバキバキだったりしてなんだか怪しい雰囲気が漂っています。

この太陽公園は入場料が必要な施設なのですが園内を巡っていると、設置された建物で高齢者の方々が生活している様子や、障害のある方が散策している姿を目にすることがあります。「なぜテーマパークの中に福祉施設があるのだろう。何かの宗教施設?」と、不思議に思われるかもしれません。

ブルースチェン(ライター)
ブルースチェン(ライター)

なぜこれほどまでに多様な世界の遺産が集められているのでしょうか? そこには創設者の誰もが楽しく暮らせる社会の実現、平和への願いなどが込められていました。
この記事ではそんな太陽公園の経営理念に触れながら、怪しい雰囲気や見所などを写真と共にご紹介します。

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障害者と地域社会のつながりがテーマの施設

太陽公園内を歩いていると、福祉施設が併設されていることがわかります。建物に目を向けるとこちらに手を振ってこられる高齢者の方や、職員の方と散歩をしている利用者の方、お土産売り場や清掃スタッフとして働いている方も多く見かけました。
何故、太陽公園内に福祉施設が併設されているのか?それは社会福祉法人グループが太陽公園を運営しているからです。設立者である門前大経氏の「地球を愛し、人々が幸せに暮らせる社会を願う」という願いや、「海外旅行が難しい障害者に世界を見せたい」という想い等により太陽公園は1992年にオープンしました。

公式HPに記載されている「設立に対しての想い」から太陽公園を運営する目的は以下3つ。
・世界旅行が難しい障害者の方に世界旅行の気分を体験していただく
・観光客や地域社会とのつながり
・障害者の就労の場

太陽公園は珍スポットやB級スポットとして紹介されることが多いですが、全ての人の価値や可能性が大切にされる社会の実現を目標に運営されている素晴らしい施設なのです。

太陽公園は2つのエリアに分かれている

太陽公園は、「城のエリア」と「石のエリア」という、雰囲気の全く異なる二つのゾーンから構成されています。城のエリアにはまるでおとぎ話で登場しそうなぐらい美しい白鳥城がそびえ立ち、建物内では中世ヨーロッパを再現したフォトスポットやトリックアートを楽しむことができます。
石のエリアは、約4万坪もの広大な屋外博物館のような雰囲気。無数の石像や巨大建築のレプリカが立ち並び、「誰がこんなに作ったの」と少し怪しさすらも感じてしまうぐらい壮大な景色が広がります。

夢見る白亜の城:城のエリアで中世ヨーロッパへタイムスリップ

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太陽公園のシンボルともいえる「白鳥城」は、ドイツのノイシュバンシュタイン城をモデルに、3分の2のスケールで再現された壮大な建物です。実はこの白鳥城、太陽公園を運営している社会福祉法人がドイツへ福祉に関する視察に訪れたことがきっかけで建設されたもの。高さ45メートル、7階建てのこのお城は、あまりの美しさに映画やドラマのロケ地としてもよく使用されているそうです。(映画:斉木楠雄のΨ難 (2017年)、ドラマ:勇者ヨシヒコと導かれし七人 (テレビ東京系)など)

白鳥城はコスプレイヤーに人気の聖地

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太陽公園は世界の名所を再現したユニークなテーマパークとして知られていますが、実はコスプレイヤーの間でも人気のスポット。特に、白鳥城は人気ゲーム『Fate/stay night』に登場するノイシュバンシュタイン城をモデルとしていることから、聖地として多くのコスプレイヤーが訪れます。園内にはログハウスを改良した無料更衣室が完備されており団体での可能です。

団体利用に関わっては電話での事前予約が必要です。詳しくは公式HPのコスプレ撮影の方へを確認してください。

白鳥城の内部の様子

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白鳥城内には入ることもできます。城内にはトリックアートや王様気分の玉座再現コーナー、TV番組『月曜から夜ふかし』で紹介された100均で揃えた道具を使ったチープすぎるお化け屋敷コーナーなどのフォトスポットがたくさん存在します。口と足で絵を描く芸術家の絵画の展示もありました。

ブルースチェン(ライター)
ブルースチェン(ライター)

白鳥城の中は、歴史的なお城を再現したというより、みんなでワイワイ写真撮って楽しむスタジオのような展示が多い印象です。

圧倒的なスケールとリアリティ:石のエリアで太古と異国に迷い込む

石のエリアで初めに出迎えてくれるのは、フランス・パリの凱旋門のレプリカ。高さ15メートル!

太陽公園の最大の魅力の一つが、広大な敷地に展開される「石のエリア」です。ここでは世界各国の有名な石造物や建築物のレプリカがその場の景観に溶け込むように配置されており歩みを進めるごとに全く異なる世界が現れます。ただ、「モアイってこんな目してたっけ?」「この像はなんでこんなところにあるの」などツッコミどころ満載のエリアとなっています。

大迫力の兵馬俑

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太陽公園の中でも特に目を引くのが、中国の兵馬俑を再現したエリアです。ここでは、秦の始皇帝のお墓から出土した兵士や馬の像がリアルに再現されていて、小学校の体育館くらいの広さの空間にまるで本物の発掘現場のような堀が広がっています。そこに並んでいるのは、なんと約1,000体! レプリカとは思えない迫力で、つい息をのんで見入ってしまいます。

ブルースチェン(ライター)
ブルースチェン(ライター)

一体一体の顔がそれぞれ違っていることから、ただの大量生産ではないこだわりの再現であることが伝わってきます。壊れた兵士も散らばっていて、壮大ながらも恐ろしさが混じった雰囲気をグッと引き立っています。夜だと怖いだろうなあ。

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全長2キロの万里の長城

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兵馬俑の近くには中国が誇る巨大な建造物、万里の長城の一部が再現されています。実際にその上を歩くことができ、どこまでも続くかのようなスケール感を体感することができる。なんと全長2キロメートル!ただ、万里の長城の石畳の上に兵馬俑を思わせる無数の石像が並んでいる。先ほどの感動やありがたみが徐々に薄れてくるからやめた方が良いぞ。
石像が多すぎて、配置に困ったのか世間話をしているように見えるモノもありました。

姫路にいながら世界の名所を1日で巡ることができる

石のエリアでは他にもミクロネシア連邦ヤップ島の石のお金を集めた石貨神殿や中国の双塔寺、天安門広場や韓国鐘楼、エジプトのピラミッドなどなど、姫路にいながら世界各地の珍しい石の文化に触れることができます。ただ、全体的にどこか再現がゆるくて愛くるしい。そんな脱力感が太陽公園の最大な魅力のように思います。

しょんべん小僧が多すぎる

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ションベン小僧も無数に展示されていました。もはやしょんべんを掛け合うように配置がなされているように見えて面白いです。

ポーズが独特な五百羅漢像

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五百羅漢のエリアも面白い。斜面に沿って五百羅漢像が並んでいるのですが、私たちがよく見る仏像のような穏やかで悟りを開いた姿のものだけでなく、ピースをしているものやガッツポーズをしているものまで遊び心が加えられたものが多数いました。

まぶしいのかな?

見落としがちな麿崖大仏は必見

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石のエリアの最奥にある麿崖大仏(まがいだいぶつ)は見逃せません。摩崖大仏とは、岩山に直接彫られた大仏のこと。太陽公園の摩崖大仏は、なんと高さ約25メートルと、奈良の大仏よりも巨大

ただ、太陽公園は非常に広く、ここまで進んでくる人がいないのか周囲は木々が生い茂りあまり手入れがなされていない様子でした。とてつもないスケールなので、太陽公園に訪れた際はぜひ磨崖大仏のエリアに訪れることをおすすめします。

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アクセス

住所:〒671-2246姫路市打越1342~6 Googleマップで詳しい場所を確認する
営業時間:9:00~17:00 (チケット最終販売 16:30まで)
TEL:079-267-8800

料金:大人(高校生以上)1,500円、子供(小・中学生)700円、小学生未満無料、高齢者(75歳以上)700円
障害者・介助 大人700円、障害者 子供400円
※20名以上の団体の場合は割引あり。
駐車場:有

公共交通機関での行き方:
神姫バスターミナル「姫路駅前」発
→35・43番系統「緑台」行き「打越西」停留所、もしくは「打越新田」停留所下車
→36番系統「白鳥台」行き「白鳥台3丁目」停留所下車

まとめ

太陽公園は「ヤバい」「怪しい」と話題のスポットではありますが「海外旅行が難しい障害者に世界を見せたい」という想いにより設立され、障害者雇用や共生社会の実現に向けたホスピタリティ溢れた素晴らしい施設でした。展示の迫力は素晴らしく見応え抜群です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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