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グラフィティで埋め尽くされた公園とスラム散策【チャールムラー公園】

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一面ストリートアートの公園の景色 バンコク
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東南アジアの熱気あふれる都市バンコクが、実は世界有数のグラフィティ天国だということをご存知でしたか? 街を歩けば素人目にも「これはアートだ!」と息をのむような、ハイレベルな作品に次々と遭遇します。 そんなバンコクの中でも、特に巨大で強烈なグラフィティが集結し、訪れる者を圧倒するのが「チャールムラー公園」。
人間の身長を遥かに超える壁面という壁面が、ポップでカラフルなキャラクターから、どこかダークでアシッドな雰囲気を醸し出す“ちょいワル”な作品まで、まさに巨大なストリートギャラリーのように埋め尽くされています!
公園の周辺には、昔ながらの住宅街や活気あるローカルマーケットが広がり、バンコクのディープな下町の空気も満喫できる絶好のロケーション。

不屈のブルースチェン(ライター)
不屈のブルースチェン(ライター)

今回は、このチャールムラー公園の必見グラフィティアートの見どころと、異国情緒あふれる周辺のおすすめ散策ルートを徹底ガイドします。

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【チャールムラー公園アクセス完全ガイド】BTSラーチャテーウィー駅から徒歩5分!開園時間と入口情報

かっこいい壁の様子

最寄り駅は、BTSスカイトレインの「Ratchathewi(ラーチャテーウィー)駅」。この駅から大通り沿いを真っ直ぐに歩いて、わずか5分ほどで公園の入口に到着します。より確実に辿り着きたい場合は、Googleマップに以下のタイ語住所を入力して検索してみてください。迷わず案内してくれるはずです。

【住所】 ซอย เพชรบุรี 18 - ซอย Soi Phetchaburi 18, Thanon Phetchaburi, Ratchathewi, Bangkok 10400 タイ

入り口の様子。堅牢な柵で区切られている
鍵付きの入り口

公園の敷地はぐるりと金属製の柵で囲まれており、出入りできるゲートは1箇所のみとなっています。また、公園は行政によってしっかり管理されており、開園時間は朝の5時半から夜の19時まで。夜になると門が施錠されてしまうため、訪問の際は時間に余裕を持って計画することをおすすめします。

【チャールムラー公園の正体】普通の公園+壁一面アート!? バンコクの異色グラフィティスポット

壁一面のアートの様子

「チャールムラー公園」はバンコクのルンピニー公園や東京の代々木公園のような、大自然を満喫するタイプの公園とは少し趣が異なり、滑り台やブランコといった遊具が設置された、親しみやすい雰囲気の公園がベースになっています。
ただし、そこが普通の公園と決定的に違うのは園内の壁という壁、視界に入るあらゆる平面が息をのむほど鮮やかでパワフルなグラフィティアートで埋め尽くされていること!

公園の広さ自体は、例えるなら日本の地方都市で見かけるドラッグストア一軒分ほど。しかし、そのコンパクトな空間に凝縮されたアートのエネルギーと密度は、まさに圧巻の一言。ありふれた公園の風景が、グラフィティによって全く新しい、刺激的な空間へと変貌を遂げているのです。

通常の公園のように遊具がある

なぜバンコクにキャプ翼?チャールムラー公園で発見!タイ人Jリーガーも描かれたアートの秘密

サッカースタジム

チャールムラー公園の中央部には、アクティブに楽しめるフットサルコートが設置されています。そして、ここの壁面でひときわ大きな存在感を放っているのが、なんと日本の国民的サッカー漫画『キャプテン翼』をテーマにした巨大なグラフィティアートです! バンコクのストリートアートの聖地で、まさかの翼くんたちとの遭遇に、「なぜここにキャプテン翼が!?」と驚く方も多いのではないでしょうか。
実はこのアート、日本のJリーグがアジアでのさらなるファン層拡大を目指すプロモーション企画の一環として制作された特別な作品なのです。さらに注目すべきはアートの上部に描かれた選手たち。2022年にJリーグのFC琉球でプレーしたフォワード、シティチョーク・パソ選手をはじめとする、3人のタイ出身Jリーガーたちの勇姿がフィーチャーされており、日本とタイのサッカーを通じた熱い絆を感じさせてくれます。

ピンクの鮮やかな壁の様子

バンコクの壁は生きている!チャールムラー公園に見るグラフィティの暗黙のルールとアートの変遷

上書きされた作品の様子

チャールムラー公園の壁面を埋め尽くす、息をのむようなグラフィティアートの数々。実はこのストリートアートの世界にはアーティストたちの間で尊重される、ある種の暗黙の“掟”が存在すると言われています。それは、「既に完成された作品の上に自分のアートを重ねるならば、元の作品を超えるクオリティでなければならない」という、実力とリスペクトが試される厳しいルールです。下手な上描きは、元のアーティストへの冒涜と見なされることもあるのです。

ここチャールムラー公園の壁に目を凝らしてみると、確かに幾重にもアートが重ねられ、絶えず進化し続けている様子がうかがえます。それはまるで、新たな才能が過去の傑作に挑戦し日々新たな表現が生まれては消えていく、ライブなアート空間そのもの。単に絵が描かれているだけでなく、そこにはアーティストたちの静かなる対話や火花散るようなプライドのぶつかり合いが存在しているのかもしれません。

バンコクのストリートアートはなぜ独特?大学抗争から生まれたタイ・グラフィティ文化の知られざる歴史

バンコクの街を鮮やかに彩る、レベルの高いグラフィティアート。その意外なルーツが、なんと「大学間の縄張り争い」にあったと言われたら、多くの人は驚くのではないでしょうか。 実はタイにおけるグラフィティ文化は、学生たちが街の壁に自らの大学名をスプレーなどで記しテリトリーを主張し合ったことから始まったとされています。これは、若者たちのエネルギーと対抗意識が生み出した、ある種のストリート上のコミュニケーションだったのかもしれません。

しかし、単なるマーキング行為で終わらなかったのがタイのグラフィティの面白いところ。その初期の衝動的なエネルギーは、長い年月をかけてタイが育んできた伝統的な装飾文化──例えば、寺院に見られる美しい壁画や緻密な文様、鮮やかな色彩感覚など──と自然に融合していきました。その結果、他のどの国とも異なる、時にはエキゾチックな魅力さえ放つ、独創性に富んだタイ独自のグラフィティ文化が形成されてきたのです。

異文化と伝統が形づくる バンコクのグラフィティシーン VICE 2016.10.5 
文/Ray Mockhttps://www.vice.com/ja/article/5gqgaq/writers-block-bangkok-graffiti-matures-amid-beef-and-growing-pains

バンコクの素顔発見!チャールムラー公園から行く、下町・ムスリム街・学生街の異文化散歩

今やアジアを代表する世界有数の大都会へと成長を遂げたバンコク。しかし、「チャールムラー公園」の周辺に一歩足を踏み入れると、まるでその目覚ましい発展の喧騒から“取り残された”か、あるいは意図的に“守られてきた”かのような時間がゆったりと流れる貴重なエリアが広がっています。そこには、きらびやかなバンコクとは異なる、もう一つの顔が息づいています。

公園から続く路地にはローカルな生活感が色濃く残る下町情緒あふれる住宅街、エキゾチックな雰囲気を醸し出すムスリムの人々が暮らす一角、そして若いエネルギーに満ちた学生たちが行き交うアパート街などが隣接しています。これらのエリアは活気がありながらもどこか落ち着いていて、訪れる者にノスタルジックな安らぎと新鮮な驚きを与えてくれる不思議な空間。ガイドブックには載らないバンコクの“素顔”に触れ、異文化の香りを全身で感じられる、まさに“宝探し”のような散策が楽しめる、超おすすめのスポットなのです。

【チャールムラー公園周辺散策ガイド】昭和レトロな路地裏グラフィティからジム・トンプソンの家、センセープ運河まで!

公園横の路地。地面が舗装されていない
公園の出口を抜けると、すぐそこはローカルな住宅街

チャールムラー公園を一歩出ると、そこはバンコクの“ありのままの日常”が息づくエリア。一般的な家庭の人々や、近くの学校に通う学生たちが暮らすアパート街が広がっています。驚くことに、大都会バンコクの中心部にありながら道路がまだアスファルトで舗装されておらず、乾いた土ぼこりが舞い上がる場所も。その光景はどこか日本の昭和時代を彷彿とさせるノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。そんな街角の壁という壁にも見応えのあるクールなグラフィティが点在しているので、公園のアート鑑賞と合わせて路地裏散策を楽しむのがおすすめです。

タクシーが路駐されている風景

ふと目をやれば、色とりどりのトゥクトゥクやタクシーが無数に路肩に駐車されており、この界隈が運転手さんたちの生活拠点の一つであることがうかがえます。さらに足を延ばせば、タイシルクを世界に広めたことで有名な「ジム・トンプソンの家」も徒歩圏内。そして住宅街のすぐ脇を流れる「センセープ運河」では、バンコク市民の重要な足である水上バスが、日中の喧騒や渋滞をものともせず水面を滑るように人々を運んでいます。このローカルな水上交通の風景もまた、バンコク下町ならではの大きな魅力と言えます。

近くの運河の写真

チャールムラー公園の次に訪れたい!バンコク・ラーチャテーウィー駅近のディープな市場で感じる東南アジアの日常

市場の様子

チャールムラー公園を満喫した後、BTSスカイトレインのRatchathewi(ラーチャテーウィー)駅まで戻り、今度は駅の西側エリアへと足を延ばしてみるのも一興です。そこにもまた、バンコクの奥深い魅力が隠された、地元の人々の生活が息づくディープな住宅街が広がっています。中でも特におすすめなのが名前こそはっきりしないものの、地元住民で賑わうローカルな雰囲気満点の市場です。

活気がとにかくすごい

私が訪れたのはまだ朝早い時間帯。出勤前と思われる人々が屋台で熱心に朝ご飯を選んでいたり、あるいはまだパジャマ姿のまま、気軽に花や新鮮な食材を買い求める住民の姿があったりと、まさに東南アジアの“日常”そのもののエネルギッシュな風景に心を掴まれました。市場の店先には色とりどりの野菜や果物、新鮮な肉や魚はもちろんのこと、カラフルな衣服やお菓子、美しい生花まで、ありとあらゆるものが所狭しと並び、見ているだけでもワクワクしてきます。 ローカル市場の場所をGoogleMapで確認する

花屋さんの様子

【バンコク・パヤータイ駅周辺】線路沿いの“スラム”で響くアラビア語の祈り|出稼ぎ労働者の生活と都市の断面

チャールムラー公園やラーチャテーウィー駅周辺とはまた異なるバンコクの表情を求めるなら、タイ国有鉄道のパヤータイ駅周辺へ足を運んでみるのもおすすめです。この駅の線路に沿って、いわゆる“スラム化”したとも形容されるエリアが形成されており、そこではカンボジアやミャンマーなど近隣諸国からの出稼ぎ労働者の方々が多く生活を営んでいます。そこには、都市の華やかさとは対照的なしかし力強い日常が息づいています。

スラムの詳しい場所をGoogleMapで確認する

パヤタイ駅付近の鉄道の様子

私がこのエリアを訪れた際、ちょうど礼拝の時間だったのでしょうか。どこからともなく独特のリズムを刻むアラビア語の男性の祈りの声が朗々と響いてきて、異国情緒あふれるその響きにハッとさせられました。パヤータイ駅はバンコクの主要ターミナル駅であるフワランポーン駅へと繋がる重要な路線上に位置しており、この線路の脇には都市の発展の中で形作られてきた人々の生活が確かに根付いているのです。まさに、大都会のダイナミズムとそこに力強く生きる人々の息遣いが交錯する、バンコクのディープな一面を垣間見ることができる場所と言えるでしょう。

トタン屋根のスラム風景
線路沿いにスラムが形成されています

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アクセス

バンコクのストリートアートとディープな下町の魅力が詰まった「チャールムラー公園」とその周辺エリアへのアクセスは、公共交通機関を利用するのが便利です。

チャールムラー公園へのアクセス:

公園周辺エリア(ラーチャテーウィー駅西側、パヤータイ駅周辺)へのアクセス:

  • BTSラーチャテーウィー駅西側エリア(ローカル市場など): チャールムラー公園を見学後、BTSラーチャテーウィー駅に戻り、駅の西側へ徒歩で散策することでアクセスできます。活気あるローカル市場などが広がっています。
  • タイ国有鉄道パヤータイ駅周辺(線路沿いのエリアなど): BTSラーチャテーウィー駅からBTSサイアム駅でシーロム線に乗り換え、BTSパヤータイ駅で下車。または、エアポートレイルリンクのパヤータイ駅も利用可能です。駅周辺の線路沿いにディープなエリアが形成されています。

まとめ

バンコクの街はまるで巨大なストリートアートギャラリーであり、同時に生活感あふれるエキサイティングな迷宮のよう。今回は特にグラフィティの聖地「チャールムラー公園」を中心に、その鮮烈なアートの世界と公園の周辺に広がるノスタルジックでディープな下町の魅力をお伝えしました。

公園の壁という壁を埋め尽くす圧巻のグラフィティ、意外な場所で出会う「キャプテン翼」、そして日々変化し続けるアートのダイナミズム。その背景にある、大学の縄張り争いから始まったというタイ独自の文化。さらに一歩足を踏み出せば、活気あるローカル市場の喧騒、どこか昭和を思わせる路地裏の風情、そして多様な文化が混じり合いながら暮らす人々の息遣いが、そこにはありました。これらは、きらびやかな観光名所を巡るだけでは決して見えてこない、バンコクのもう一つのリアルな顔、そして奥深い魅力です。
チャールムラー公園とその周辺エリアは、あなたの知らないバンコクを発見し、この街の持つ底知れぬエネルギーと創造性に触れることができる、最高の散策コースの一つと言えます。ただ美しいアートを見るだけでなく、その背景にある文化や、そこに暮らす人々の日常を感じることで、旅はより一層豊かなものになるはずです。
ぜひ、あなた自身の足でこの刺激的なエリアを探検し、心揺さぶられる風景や、地元の人々との温かいふれあいに出会ってみてください。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。