三重県・鳥羽湾に、地図で見ると本当にイルカの形をしている不思議な島があります。その名も日向島、通称「イルカ島」です。
島全体がレジャー施設となっており、イルカやアシカのショーが楽しめる観光スポット。
開園はなんと昭和34年(1959年)。
正直に言えば、全盛期の賑わいは過ぎ去り、園内は少し寂しい雰囲気があります。でも、そのレトロな風情こそがたまらなく魅力的!
さらに衝撃的なのが、島へと渡る「遊覧船」です。
バブル期を象徴するような竜宮城風(?)のド派手で豪華なデザイン。
この「昭和レトロ」と「バブルの遺産」が入り混じる、味わい深いイルカ島の旅をレポートします。
B級感満載の観光船の様子

鳥羽湾に浮かぶイルカ島への旅は、乗船前から始まっています。
イルカ島への切符は「鳥羽マリンターミナル」で購入する必要があり、そこからフェリーに乗って島へと向かいます。
実はこのフェリーこそ、イルカ島の魅力を語る上で欠かせない存在。バブル期を彷彿とさせる豪華なデザインのフェリーは、まるで移動手段というよりも、アトラクションの一つ。

上記写真はおとぎ話の『浦島太郎』に関連した遊覧船。
目の前に停泊する竜宮城デザインの船を見て、「おっ、亀に乗って鬼退治(違う)か?」とテンションが上がったのも束の間。
「こちらの船でーす」と私が案内されたのは、もう一つの大型船「フラワーマーメイド号」でした。
時間帯によって配船が変わります。
大型船の「竜宮城」「フラワーマーメイド」
小型船の「みつしま」の3つが運行中
人魚と80年代アメリカンが同居。情報量が多すぎる「フラワーマーメイド号」

「フラワーマーメイド」という美しい名前に惹かれて乗船しましたが、そこにあったのはメルヘンな海の世界ではなく、コテコテの「アメリカン」な空間!
なぜか80年代のアメリカン・ポップスターを再現したリアルな人形が複数設置されており、船内はとっても賑やか(というかシュール)。



展望デッキへ出ると、そこにはちゃんと「巨大人魚」や「カモメ」の像が鎮座していました。
船内はアメリカン、展望デッキはメルヘン。
この統一感のなさ、そして漂う「ゆるい」雰囲気。これぞ昭和のテーマパーク!といった楽しさに溢れています。


上陸した瞬間、レース開始!?船の到着に合わせて始まる「イルカショー」

アメリカンな船に揺られ、ついにイルカ島へ到着しました!
桟橋に降り立った瞬間、のんびりする暇はありません。というのも、この島のスケジュールは非常に合理的。遊覧船の到着時間に合わせて、メインイベントである「イルカショー」や「餌やり体験」が始まるように組まれているのです。
そのため、船から降りたお客さんは一斉にショー会場へ! あっという間に、イルカショーに参加するための大行列が出来上がりました。

「全盛期を過ぎた」なんて失礼なことを思っていましたが、この活気は本物。イルカたちの人気ぶりを肌で感じる、熱気あふれる上陸となりました。

水槽がやけに「緑」だけど大丈夫!?濁りなど物ともしない、愛嬌満点のイルカたち

ショーが行われる水槽を見て、「……水、めっちゃ緑じゃない?」 と思いました。中を泳ぐイルカは大丈夫なのか??と余計な心配が頭をよぎります。
しかし、中を泳ぐバンドウイルカたちは、そんなこと全く気にしていません。濁った水の中からスイスイと優雅に泳ぎ寄り、こちらの様子を伺うようにジーッと見つめてきます。「お客さん、来たの?」と言わんばかりの愛嬌たっぷりのアピール。

なんてお利口!餌やりで「順番待ち」をする3頭のイルカと、少し切なくなる水槽の狭さ

ショーが始まる前に、1回500円で「餌やり体験」が行われていました。 早速参加してみると、そこには驚きの光景が。
水槽の中には3頭のイルカがいるのですが、我先にと奪い合うのではなく、なんと「餌をもらえるポジション」で綺麗に一列に並んで順番待ちをしているのです!
「イルカって、こんなに賢くて規律があるんだ……」 その知能の高さと、空気を読む姿に感動すら覚えます。
ただ、3頭のイルカに対して水槽があまりにも小さい。そんな環境でも、文句も言わず(?)律儀に並んでアピールする彼らの姿が、いじらしくて愛おしくなりました。
水槽が狭すぎて大迫力!客席に迫る「大波」と、太っちょイルカのキャッチボール

餌やりタイムが終わり、いよいよイルカショーの開演です。
このショーの最大の特徴は、なんといっても「距離の近さ」。水槽が小さいため、イルカたちが少し動くだけでザバーン!と大きな波が立ち、柵を飛び越えて客席まで飛沫が飛んでくるのです。
最新鋭の演出はありませんが、この物理的な迫力はイルカ島ならでは。
フラフープやジャンプなどの技が披露される中、一頭はまだ訓練中のようで、たまに失敗してしまうのも面白い。観客全員が「頑張れ!」と見守るような、温かい空気に包まれます。
そして必見なのが、少し太り気味のデップリとしたイルカ同士が行うキャッチボール! 丸々とした体で器用にボールを投げ合う姿は、理屈抜きに「めっちゃ可愛い」。完璧じゃなくてもいい、一生懸命な彼らの姿に心が洗われるショーです。
次は山頂のアシカショーへ!文明の利器「ロープウェイ」を使うか、自力で登るか

イルカ島の構造はユニークで、中央が小高い山になっています。
次なる目玉イベント「アシカショー」が行われるのは、この山の頂上付近。
頂上に向かってはレトロなリフトが設置されており、空の旅を楽しむこともできますが…… 個人的なアドバイスとしては、「体力がある方は歩いて行く」のがおすすめ!
遊歩道を自分の足で登りながら、島の自然や昭和の遺構(?)を間近に感じるのも、この島ならではの楽しみ方です。ちょっとしたハイキング気分で、いざ山頂へ!
頑張る高齢アシカと、檻の中のカワウソ。そして島の裏側に眠る「廃墟となったプール」

山頂のアシカショーでは、高齢のアシカが頑張って芸を披露してくれました。派手な動きはできなくても、長年この島を支えてきたベテランの姿には、心打たれるものがあります。
こちらもイルカショー同様「頑張っていてすごい!」とやけに褒めたくなるような何だか不思議な気持ちになってきます。
近くではカワウソと触れ合うこともできますが、小さいケースの中を行ったり来たりする(常同行動)姿を見ると、動物園のあり方について少し考えさせられてしまうのも正直なところ。
複雑な思いを抱えながら反対側へ下山すると、そこには衝撃的な光景が広がっていました。目の前に現れたのは、今は使われていない砂浜とイルカ池。かつては海水浴客で溢れ、ここでもイルカショーが行われていたそうですが、今は静寂に包まれています。 波の音だけが響く、祭りの後のような場所。この「兵どもが夢の跡」のような哀愁こそが、イルカ島の本当の姿なのかもしれません。


以上です!最後までご覧いただきありがとうございました
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