福井県勝山市に、まるで映画のセットのような、規格外の寺院があるのをご存知でしょうか?その名も「清大寺」。
ここは、相互タクシーの創業者・多田清氏が私財を投じて建立した、まさに夢の跡。
圧倒的なスケールと幾何学的な美しさが「SNS映えする」と話題ですが、一方で財政難によるゴーストタウンのような雰囲気なんです。
豪華絢爛なテーマパークのような造りと、静まり返った境内。
その不思議なアンバランスさが魅力の、巨大寺院の様子をレポートします。
恐竜博物館のすぐそばなのに参拝者ごく僅か、まるで「ゴーストタウン」?

大人気の観光地「福井県立恐竜博物館」から車ですぐ。 清大寺へ向かう道中には、立派な門前町が形成されています。
全ての建物の造りが統一され、計画的に作られたことがわかる整然とした街並み。しかし、その立派な佇まいとは裏腹にほとんどの店はシャッターを下ろし通りには人っ子一人いません。
すぐ近くの博物館は観光客で溢れているはずなのに、ここだけ時が止まったかのような参拝者ほぼゼロ状態。ゴーストタウンのように静まり返った景色が広がっています。

そんな無人の商店街を歩いていると、どこからともなく綺麗なハープの音色が聞こえてきました。音の主は、この通りで唯一営業していたハープカフェ「KISSAKO」。

誰もいない街に響く旋律……。「美しい音色だけど、ちょっと不気味にも思えてきた」なんて考えていると、
目の前にとてつもなく巨大な建物が姿を現しました。いよいよ「清大寺」への到着です。

かつては3,000円だった!?今はワンコインで入れる「バブルの遺産」

受付で支払う参拝料は、大人500円。この規模のお寺としては非常に良心的な適正価格です。
しかし驚くことに、オープン当初の参拝料はなんと3,000円も徴収していたのだとか!
お寺というより、もはや遊園地やテーマパーク並みの料金設定……。建立当時はバブル時代。当時の空気感と、創業者の強気な姿勢が垣間見えますね。
そんなエピソードに驚きながら「大門」をくぐると、内部には巨大な金剛力士像が鎮座しています。
この力士像は中国の福建省で、高級木材である樟(くす)を使用し、3年6ヶ月もの歳月を費やして制作されたと案内板に記されていました。

立派な彫刻や装飾に目を奪われますが、ふと柱をよく見てみると……あれ? 塗装が剥がれた部分から、コンクリートが顔を覗かせています。
「お寺といったら木造建築」という何となくの思い込みがあるせいか、どこかしっくりこないな。

参拝客より仏像の方が多い!?「80%オフのルイヴィトン」のような胡散臭さ

境内を歩いていると至る所に仏像が置かれていることにも違和感を感じます。これ、参拝客よりも多いんじゃないか?
コンクリート作りの巨大な寺の雰囲気と相まって、こうも乱雑に仏像が配置されていると、ありがたみを感じない上に80%オフのルイヴィトンぐらい胡散臭く思えてくる。 お寺というよりも巨大なセットのような雰囲気。

奈良より2メートル大きい!日本一の大仏様、髪型が「パーマ」疑惑?

いよいよメインの大仏殿へ。外観も内部構造も、明らかに奈良の東大寺を意識して作られていますが、やはりここも安定のコンクリート造りです。

その中央にドカンと鎮座しているのが、この寺の主役「越前大仏」。 高さはなんと17メートル!
本家・奈良の大仏(約15メートル)よりも2メートルほど大きく作られており、「日本一」への並々ならぬ執念を感じます。
見上げると確かにデカい。圧倒されます。しかし、よく観察してみると……あれ?? 大仏様の頭、なんだか「パーマ風」じゃないですか?

螺髪とは?越前大仏に違和感を覚える理由

一般的な仏の髪型はパンチパーマのような「螺髪」が特徴です。螺髪は知恵の象徴で「螺」は巻貝を意味しており、仏のなかでも最上位に位置する如来像にだけ見られる最高の知恵の特徴でもあります。
しかし、越前大仏はゆるふわパーマの現代風髪型。
さらに、おでこの中心にあるはずのホクロのような「白毫(びゃくごう)」も見当たりません。
越前大仏には仏様として最も重要な「知恵の証」や「特徴」が抜け落ちている……。
日本一の大きさを誇りながら、基本的なルールを無視したその姿に、「これ、素人が作ったの?」という疑念が頭をよぎらずにはいられません。
<参照>
教えてお寺・神社さん All Rights Reserved.仏様の髪型は何種類あるの?https://www.oshiete-oterasan.com/c-hairstyles.html
ミニチュアに見えて実は等身大!?壁を埋め尽くす1,281体の「視線」

越前大仏が鎮座する壁面に目を向けると合計1,281体の石仏が並びます。
あまりにも数が多く、整然と並んでいるため、遠目には棚に飾られた小さなフィギュアのようにも見えますが、この石仏たち一つ一つが「大人一人分ほどのサイズ」があります。
これだけの大きさの像が、これだけの数、壁一面に張り付いている。 サイズ感覚がバグるというか、脳の処理が追いつかない光景です。
この圧倒的な物量とスケールこそが、清大寺が「B級スポット」の枠に収まらない所以だと思います。凄すぎる。

石仏に目を向けると、絶妙なバランスでお賽銭が置かれていました。

ただ、言っちゃ悪いがこの石仏も大量生産感があり、ありがたみが感じられない。
コンクリート造りの大仏殿や大仏の髪型が通常とは異なる点もあいまって、偽物感を醸し出している。
建立理念は社会貢献

清大寺は、相互タクシーの創業者・多田清氏が莫大な私財を投じて、郷里への社会貢献を目的に建立されました。バブル経済が華やかさを増していた1987年(昭和62年)に清大寺は開眼供養を迎えます。
しかし、バブル崩壊後の厳しい経済状況下において、寺の運営は困難を極めました。自治体の債務放棄を余儀なくされるなど、その歴史は決して平坦なものではありませんでした。
清大寺の建立は実業家による郷里への社会貢献が目的だとは言いますが、やけに立派で極端に大きな建物や境内の意味もない所に仏像を置いている様子を見て、個人的には見せびらかしのような印象を受けます。ただそのスケールは凄まじく見応えは抜群の超おすすめスポット。
その他の見どころ五重塔

境内の五重塔もどでかい。ただ、「その他の見どころ」とした題名と矛盾するけど五重塔の見どころは何もない。門前町と大仏を見終わったらぶっちゃけ遠目で見るだけで十分だ。


アクセス
住所:福井県勝山市片瀬50字1-1
TEL:0779-87-3300
駐車場有


