平安時代の絶世の美女・小野小町ゆかりの寺として知られる「随心院」。
静かな古刹……と思いきや、このお寺とっても個性的で鮮烈なピンク色の襖絵があるスポットとしてSNSを賑わせています。
一歩足を踏み入れれば、そこは鮮烈なピンク色が広がるアートの世界! 京都で最もフォトジェニックなスポットの一つをご紹介します。
美貌の秘訣はここにあり?小野小町が顔を洗った伝説の「化粧井戸」

随心院は勧修寺や醍醐寺といった有名寺院からも近い、山科エリアの隠れた名所。
ここの二大見どころといえば、SNSで話題の「ピンクの襖絵」と歴史ロマンあふれる「小野小町の化粧井戸」です。

まずは、平安時代の絶世の美女・小野小町ゆかりの井戸からご紹介します。
この地で晩年を過ごしたとされる小町は、毎朝この井戸の水で顔を洗っていたと伝えられており、この水のおかげで、いつまでも美しい容姿を保てたのだとか……!
井戸は石が階段状に組まれており、実際に水面のすぐ近くまで降りることができます。
1000年前の美女も覗き込んだ水鏡。
「この水を顔に付ければ、小町のような美人になれるかな?」 そんな期待を胸に、そっと手を伸ばしてみたくなる神秘的なスポットです。
光のアートに狩野派の襖絵。随心院の「伝統と革新」のギャップがすごい

ピンク色の襖絵に描かれた「極彩色梅匂小町絵図」があるのは、本堂へ通じる「能の間」に位置しています。
拝観受付を済ませて本堂内を進んでいくと最初に展示されているのがペンライトなどの光で描く「ライトペインティング」という手法で作られた、小野小町のアート作品。
お寺というと「お堅い」「伝統重視」というイメージがありましたが、入り口ですぐに現代的なデジタルアートが出迎えてくれるとは。 文化の継承だけでなく、新しい発展も受け入れる随心院の「懐の深さ」を感じます。

さらに順路を進むと、今度は空気一変。 歴史的価値の高い狩野派の素晴らしい襖絵が現れます(こちらは残念ながら撮影禁止)。 最新のアートと、守り抜かれた重厚な歴史。その両方を一度に味わえる贅沢な空間。
広大な和室を支配する「発光体」。ついに極彩色の小町アートと対面!

狩野派の襖絵を抜け、いよいよ目的の「極彩色梅匂小町絵図」がある能の間へ到着しました。
目の前に広がるのは広々とした畳張りの空間。そして極彩色のピンク襖絵!
部屋の面積に対して、襖絵が占める割合はほんのわずかなのですが、視界のすべてを持っていくような凄まじい存在感を放っています。
鮮烈なピンク、赤、そして金。
あまりの鮮やかさに、襖絵自体が鏡のように光を反射して発光しているのではと錯覚するほど。
この襖絵は若手アーティスト(だるま商店)が小野小町の一生を描いた現代アート作品。伝統的な日本家屋の中に突如現れたエネルギッシュな異空間に、ただただ圧倒されました。

この襖絵を印象づけている、目に焼き付くような鮮やかなピンク色。 実はこの色、古語で「はねず色(薄紅色)」と呼ばれています。
春の訪れを告げる梅の花の色であり、ここ随心院に伝わる由緒ある伝統色なのです。
そして、この「はねず色」をより一層際立たせているのが、人物たちの描かれ方です。あえて表情を描き込まず、「黒いシルエット」だけで表現する大胆な手法。
光り輝くような花々のピンクと、沈み込むような漆黒の影。
この色がパキッと分かれたコントラストが、見る者の視覚を刺激し、あの鏡のような鮮烈な存在感を生み出しています。

醍醐寺のすぐそばに、こんな名所が!京都屈指の「穴場」随心院へ急げ

随心院のある山科エリアには、世界遺産の醍醐寺や勧修寺といった、全国的に有名な寺院が立ち並んでいます。
正直なところ、それらに比べると随心院の知名度はまだそこまで高くありません。
しかし、随心院の魅力は有名寺院に決して負けていないと思います。話題のピンクの襖絵はもちろん、春には「梅の名所」として、そして秋には黄色が爆発したように広がる圧巻のイチョウを楽しむことができます。
これだけの絶景と歴史を持ちながら、比較的ゆったりと拝観できるここは、今の京都における最強の「穴場スポット」と言えます。
アクセス
住所:〒607-8257 京都府京都市山科区小野御霊町35
TEL:075-571-0025
時間:9:00~17:00(受付終了16:30)
拝観料:堂内500円、梅園500円
※梅園の公開は4月1日(日)までを予定
アクセス:地下鉄東西線「小野駅」から徒歩約5分
駐車場有


