京都市の北西にそびえる愛宕山。
今は険しい参道を登って神社へお参りする「修行の山」というイメージが強いですが実は100年以上昔、この山はホテルやスキー場などが存在した京都最先端のリゾート地でした。
山頂へ客を運んでいたのは、最新鋭のケーブルカー。しかし戦争を境に鉄のレールは全て撤去され、現在はコンクリートの駅舎だけが山に残されています。
戦前日本の夢の跡、そして美しい廃墟と化したその姿を、写真と共にお伝えします。
入り口は超難解!?遭難多発エリアにつき「十分な装備と覚悟」が必要です

愛宕山ケーブルカーの廃線跡へは、表参道と呼ばれる通常の登山ルートからアクセスすることができます。
「なんだ、普通の登山道の途中にあるのか」と思うところですが。 廃線跡へと続く分かれ道は、景色に溶け込んでおり非常に分かりにくい。
実際に、道に迷って遭難する事故も多発しているエリア。
以下ケーブルカーへの順路をお伝えします。
おすすめ駐車場情報
「愛宕山ケーブルカー」へは車での訪問が便利です。愛宕山の麓にある有料駐車場「さくらや(青木駐車場)」の利用がおすすめ。
公式HP:http://sakuraya.kiyotaki.kyoto/hp/
X:https://twitter.com/sakuraya_info
かなりタイムレスに駐車場情報が更新されています
駐車場の管理人の方に「毎年救助者が続出しているので、経験者でないと1人で登山をおすすめしていない。愛宕山に登ったことははありますか」と確認をされました。
しっかり準備をして向かいましょう!
すれ違うのは幼児ばかり?愛宕山に伝わる「3歳までの参拝」の理由

目的地への分岐点までは、一般の登山道を進みます。
歩いていて驚いたのが、すれ違う登山客にやたらと「小さな子供連れ」が多いこと。しかも、みんな抱っこされたり背負われたりするような、幼い子供ばかりです。
実は愛宕山には、古くから「3歳までにお参りを済ませると、一生火の難を免れる」という信仰があります。
「一生火事に遭わないように」 そんな願いを込めて、この急勾配を子供を背負って登る親御さんたちの姿が印象的でした。
そんな参道を抜け、いよいよ人の気配が消える「静寂の廃線跡」へと向かいます。
運命の分岐点は「水尾別れ」。かつての目印「白い石」は消えていた
登山道には時折「遭難者多数」という看板が現れ、ドキッとさせられます。午前中であれば登山者も多く、人の流れについていけば迷うリスクは低いとは思いますが、油断は禁物。
しばらく進むと、「水尾別れ」という休憩所に到着します。ここが重要なチェックポイント。
この休憩所から山頂の愛宕神社方面へ少し進むと……直ぐ右手に「分かれ道」が現れます。 ここが駅への入り口です。
「駅舎は水尾別れを過ぎたらすぐ右」
以前は、この分岐点が分かりやすいように足元に「白い石」が敷き詰められていたそうですが、現在は撤去されていました。 古いブログ記事などを参考にしている方は、白い石を探していると通り過ぎてしまうので要注意。
「お化けが出そう」な威圧感。勇気を出して踏み入れた、モダンな廃駅の内部

分かれ道を進むと木々の間から駅舎が姿を現しました。
静寂の中かなり異様な佇まい。「……めちゃくちゃお化けが出そう」 入るのにかなりの勇気を必要とする独特の威圧感を放っています。

建物全体はクリーム色をしており、当時の最先端だったであろう洋風のモダンなデザイン。
恐る恐る1階へ足を踏み入れると、床には当時のままのタイルが残っていました。このレトロで可愛らしいデザインが、かつてここが多くの人で賑わう華やかな場所だったことを静かに物語っています。

「今ここで建物が崩れたら誰も助けに来てもらえない。大丈夫かな」と考えながら階段が存在したので2階にも上がってみました。

2階に広がっていたのは、まるで鍾乳洞のような光景。
老朽化によりコンクリートの成分が溶け出し、天井からツララのように垂れ下がっています。
かつての栄華と、今の崩壊していく姿。その対比に背筋が寒くなるような、圧倒的な「廃墟のリアル」がそこにあります。

足元に穴が開いている…!?床下が「巨大な空洞」だと気づいて冷や汗が止まらない

天井の恐怖から逃れるように1階へ戻ると、今度は床に小さな穴が開いていることに気がつきました。
何気なく覗き込んで、全身が凍りつく。……床下が、完全に空洞になっている。
おそらく、廃墟になる前はこの建物の下に、ケーブルを巻き上げる巨大な機械が設置されていたのでしょう。駅舎はその機械室の上に浮くように建っている構造だと思われます。
つまり、私が今立っているこの床は、支えを失い、いつ抜けてもおかしくない薄いコンクリートの板の上……。
さっきまで普通に歩いていた場所が、急に地雷原のような危険地帯に見えてきます。 「抜けるなよ、絶対に抜けるなよ……」 心の中で祈りながら、そろりそろりと忍者のように歩き、そそくさと出口へ。
お化けよりも何よりも、物理的に床が抜ける想像が一番怖かったです。


まとめ
「愛宕山ケーブルカー」跡。当時の面影を残し、ひっそりと佇む建物が魅力的で、恐怖心と好奇心が混在した不思議な感覚を得ることのできる場所でした。
以上です!最後までご覧いただきありがとうございました
アクセス
朝早くに登山することをおすすめします。日暮れが大変速く、遭難の危険性があります
住所:〒616-8458 京都市右京区嵯峨愛宕町1
TEL:075-861-0658
近くの有料駐車場
さくらや(青木駐車場)
http://sakuraya.kiyotaki.kyoto/hp/
参考サイト
愛宕神社公式HPhttp://atagojinjya.jp
愛宕山登山安全マップ(京都府警)https://www.pref.kyoto.jp/fukei/anzen/tiiki/sangaku/atagosan.html


