実はバンコクは世界有数のグラフィティ天国。
中でも特に巨大で強烈なグラフィティが集結するスポットが「チャールムラー公園」です。
人間の身長を遥かに超える壁面という壁面が巨大なストリートギャラリーのようにド派手なグラフィティで埋め尽くされています。
公園の周辺には、昔ながらの住宅街や活気あるローカルマーケットが広がり、バンコクのディープな下町の空気も満喫できる絶好のロケーション。
今回は、このチャールムラー公園の必見グラフィティアートの見どころと、異国情緒あふれる周辺のおすすめ散策ルートを徹底ガイドします。
【チャールムラー公園アクセス完全ガイド】BTSラーチャテーウィー駅から徒歩5分!開園時間と入口情報

チャールムラー公園はBTSスカイトレインを利用しての訪問が便利です。最寄駅は「Ratchathewi(ラーチャテーウィー)駅」。
駅からは大通り沿いを真っ直ぐに歩いて約5分。迷う隙もないほどの好立地です。

公園の敷地はぐるりと金属製の柵で囲まれており、出入りできるゲートは1箇所のみとなっています。
公園は行政によってしっかり管理されており、開園時間は朝の5時半から夜の19時まで。
夜になると門が施錠されてしまうため、訪問の際は時間に余裕を持って計画することをおすすめします。
【チャールムラー公園の正体】普通の公園+壁一面アート!? バンコクの異色グラフィティスポット

「チャールムラー公園」は一見すると滑り台やブランコなどの遊具が設置された近所の子どもが遊ぶ公園といった趣です。
ただし、普通の公園と決定的に違うのは園内の壁という壁、視界に入るあらゆる平面が息をのむほど鮮やかでパワフルなグラフィティアートで埋め尽くされていること。
公園の広さ自体は、例えるなら日本の地方都市で見かけるドラッグストア一軒分ほどで大きくはありません。
しかし、そのコンパクトな空間に凝縮されたアートのエネルギーと密度は圧巻です。
ありふれた公園の風景が、グラフィティによって刺激的な異空間に変貌しています。

なぜバンコクにキャプ翼?チャールムラー公園で発見!タイ人Jリーガーも描かれたアートの秘密

公園の中央にあるフットサルコート。その壁面でひときわ大きな存在感を放っているのは、なんと日本の国民的サッカー漫画『キャプテン翼』の巨大グラフィティです。
「なんでタイの公園にキャプツバが!?」 思わず二度見してしまう光景ですが、実はこれ日本のJリーグがアジアでのファン層拡大を目指して制作した公式のプロモーションアート。
グラフィティには、シティチョーク・パソ選手(元FC琉球)をはじめとする、タイ出身のJリーガー3名の勇姿もフィーチャーされています。 異国の地で輝く、日本とタイの「友情の証」は必見です。

「上書きするなら、より上手く描け」。グラフィティ界の厳しすぎる“掟”

グラフィティアートの世界にはアーティストたちの間で尊重される、暗黙の“掟”が存在します。
それは、「既に完成された作品の上に自分のアートを重ねるならば、元の作品を超えるクオリティでなければならない」という、実力とリスペクトが試される厳しいルールです。下手な上描きは、元のアーティストへの冒涜と見なされることもあるといいます。
常に進化する壁。ここはアーティストたちの「静かなる戦場」
チャールムラー公園の壁に目を凝らしてみると、確かに幾重にもアートが重ねられ、絶えず進化し続けている様子がうかがえます。
それはまるで、新たな才能が過去の傑作に挑戦し日々新たな表現が生まれては消えていく、ライブなアート空間そのもの。
単に絵が描かれているだけでなく、そこにはアーティストたちの静かなる対話や火花散るようなプライドのぶつかり合いが存在しています。
バンコクのストリートアートはなぜ独特?大学抗争から生まれたタイ・グラフィティ文化の知られざる歴史

バンコクの街を彩るハイレベルなグラフィティ。 実はその起源は「大学間の縄張り争い」にあったと言われています。
かつて、学生たちが自分の大学名を壁にスプレーしてテリトリーを主張し合ったマーキング行為。
若者たちの対抗意識が生んだ、荒削りなストリートのコミュニケーションが全ての始まり。
その初期衝動的なエネルギーは、やがてタイが古くから持つ「伝統的な装飾文化」と融合しました。寺院の美しい壁画や緻密な文様、南国特有の鮮やかな色彩感覚……。
「ストリート文化」と「伝統の美」が化学反応を起こし、他の国にはないエキゾチックで独創的なタイ独自のグラフィティ文化が形成されています。
異文化と伝統が形づくる バンコクのグラフィティシーン VICE 2016.10.5
文/Ray Mockhttps://www.vice.com/ja/article/5gqgaq/writers-block-bangkok-graffiti-matures-amid-beef-and-growing-pains
バンコクの素顔発見!チャールムラー公園から行く、下町・ムスリム街・学生街の異文化散歩

公園の周辺は、バンコクの下町情緒あふれる古い住宅街やムスリムの人々が暮らす一角などが位置しています。
大都会バンコクに残る昔ながらの東南アジアの雰囲気が残っており現在から過去へタイムスリップするような新感覚散歩が楽しめます。
以下、チャールムラー公園の周辺散策をガイドします。
【チャールムラー公園周辺散策ガイド】昭和レトロな路地裏グラフィティからジム・トンプソンの家、センセープ運河まで!

チャールムラー公園を一歩出ると、そこにはバンコクのありのままの日常が広がっています。 学生たちが暮らすアパートや、一般的な民家が並ぶのどかなエリア。
工事によって一時的なのかもしれませんが、道路がまだ舗装されていない場所もあり乾いた土ぼこりが舞い上がるその光景は昭和時代にタイムスリップしたかのようなノスタルジーを醸し出していました。
そんなレトロな街角の壁にも、公園から飛び出したようなクールなグラフィティが点在しています。

ふと路肩に目をやれば、色とりどりのトゥクトゥクやタクシーが無数に駐車されていました。ここは運転手たちが住む、地元住人のエリア。
近くに流れる「センセープ運河」には豪快な水飛沫を上げながら水面を滑るように走る水上バスが疾走していました。渋滞をモノともしないバンコク市民の重要な足。

チャールムラー公園の次に訪れたい!バンコク・ラーチャテーウィー駅近のディープな市場で感じる東南アジアの日常

チャールムラー公園を満喫した後、BTSスカイトレインのRatchathewi(ラーチャテーウィー)駅まで戻り、今度は駅の西側エリアへと足を延ばしてみるのもおすすめです。
そこもまた、地元の人々の生活が息づくディープな住宅街が広がっています。中でも特におすすめなのが名前こそはっきりしないものの、地元住民で賑わうローカルな雰囲気満点の市場です。

私が訪れたのはまだ朝早い時間帯。
出勤前と思われる人々が屋台で朝ご飯を選んでいたり、パジャマ姿のまま花や新鮮な食材を買い求める住民の姿があったりと、まさに東南アジアの“日常”そのもののエネルギッシュな風景に心を掴まれます。
市場の店先には色とりどりの野菜や果物、新鮮な肉や魚はもちろんのこと、カラフルな衣服やお菓子、美しい生花まで、ありとあらゆるものが所狭しと並び、見ているだけでもワクワクしてきます。 ローカル市場の場所をGoogleMapで確認する


【バンコク・パヤータイ駅周辺】線路沿いの“スラム”で響くアラビア語の祈り|出稼ぎ労働者の生活と都市の断面

徒歩で行けるタイ国有鉄道のパヤータイ駅周辺へ足を運んでみるのもおすすめです。
仏教のイメージのあるタイですが、この周辺はムスリムが住むエリアになっており、礼拝の時間にはどこからともなくアラビア語の男性の祈りの声が朗々と響き渡ります。
また、駅の線路に沿って、いわゆる“スラム化”したエリアもありカンボジアやミャンマーなど近隣諸国からの出稼ぎ労働者の方々が多く生活を営んでいます。
詳しい場所をGoogleMapで確認する

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アクセス
バンコクのストリートアートとディープな下町の魅力が詰まった「チャールムラー公園」とその周辺エリアへのアクセスは、公共交通機関を利用するのが便利です。
チャールムラー公園へのアクセス:
- 最寄り駅: BTSスカイトレイン「Ratchathewi(ラーチャテーウィー)駅」
- 駅からの所要時間: 駅から大通り沿いを真っ直ぐ歩いて約5分と、非常にアクセスしやすい場所にあります。
- Googleマップ用:
ซอย เพชรบุรี 18 - ซอย Soi Phetchaburi 18, Thanon Phetchaburi, Ratchathewi, Bangkok 10400 タイ - 開園時間: 朝5時30分~夜19時00分
- 公園は行政が管理しており、夜間は施錠されます。
- 出入り口は1箇所のみですのでご注意ください。
公園周辺エリア(ラーチャテーウィー駅西側、パヤータイ駅周辺)へのアクセス:
- BTSラーチャテーウィー駅西側エリア(ローカル市場など): チャールムラー公園を見学後、BTSラーチャテーウィー駅に戻り、駅の西側へ徒歩で散策することでアクセスできます。活気あるローカル市場などが広がっています。
- タイ国有鉄道パヤータイ駅周辺(線路沿いのエリアなど): BTSラーチャテーウィー駅からBTSサイアム駅でシーロム線に乗り換え、BTSパヤータイ駅で下車。または、エアポートレイルリンクのパヤータイ駅も利用可能です。駅周辺の線路沿いにディープなエリアが形成されています。
まとめ
バンコクの街はまるで巨大なストリートアートギャラリーであり、同時に生活感あふれるエキサイティングな迷宮のよう。今回は特にグラフィティの聖地「チャールムラー公園」を中心に、その鮮烈なアートの世界と公園の周辺に広がるノスタルジックでディープな下町の魅力をお伝えしました。
公園の壁という壁を埋め尽くす圧巻のグラフィティ、意外な場所で出会う「キャプテン翼」、そして日々変化し続けるアートのダイナミズム。その背景にある、大学の縄張り争いから始まったというタイ独自の文化。さらに一歩足を踏み出せば、活気あるローカル市場の喧騒、どこか昭和を思わせる路地裏の風情、そして多様な文化が混じり合いながら暮らす人々の息遣いが、そこにはありました。これらは、きらびやかな観光名所を巡るだけでは決して見えてこない、バンコクのもう一つのリアルな顔、そして奥深い魅力です。
チャールムラー公園とその周辺エリアは、あなたの知らないバンコクを発見し、この街の持つ底知れぬエネルギーと創造性に触れることができる、最高の散策コースの一つと言えます。ただ美しいアートを見るだけでなく、その背景にある文化や、そこに暮らす人々の日常を感じることで、旅はより一層豊かなものになるはずです。
ぜひ、あなた自身の足でこの刺激的なエリアを探検し、心揺さぶられる風景や、地元の人々との温かいふれあいに出会ってみてください。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。


