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防空壕への行き方と真白な奇岩谷の景色【屯鶴峯】

奈良県
ブルースチェン

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屯鶴峯(どんつるぼう)はまっしろな岩が一面に広がる奇勝地。風化や浸食によって、「でこぼこ」と白い岩が露出しており、珍しい風景が広がります
この景色を眺めるだけでも行く価値があるのですが、実はそれ以上の見所が屯鶴峯にある。その名も「屯鶴峯旧日本陸軍地下壕」。観光地として整備されたエリアを約30分程度進んだ先に位置します

戦時中に建設された地下壕で入り口は小さな穴といった印象ですが、内部は想像以上に巨大な空間が広がっており「こんな場所が現在も残っているなんて」と驚くこと間違いなしだ
ただ少し、わかりにくい場所にある。下調べをして行かなければ迷ってしまいます。詳しい様子やその行き方を写真とともにお伝えします。

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屯鶴峯旧日本陸軍地下壕の見所と歴史

地下壕は太平洋戦争の末期である1944年頃から旧日本陸軍により建設されました
地下壕の建設期間はわずか2カ月で、トンネル専門の部隊が300人の態勢で24時間掘り続けたことに加え、トンネル発掘には多くの死者が出たと記録に残っている。この地下壕は半分獣道のようになった道を突き進むと現れます

地下壕の内部はあみだくじのように繋がりながら広がっており、総距離が2キロにもおよぶ巨大な空間です

地下壕が三つ並んだ景色
まずは左の地下壕に進んでみます

入り口に近づくと、ひんやりとした空気がただよいます。トンネルの特性上の冷気だとは思いますが、明かに空気の質が変わることと、戦争遺物という背景から心霊的な空気を感じてしまいます

地下壕への入り口

これから紹介する山側からの行き方でたどり着くトンネル入り口は3箇所
上写真の両トンネルは内部が水溜りになっていました。地下水がポタポタと垂れており、乾くことがない水溜り状態になっています
コウモリの糞尿で汚染されていることが確実なので、内部を進む場合は厳重な装備が必要だろう

トンネル内部

先ほどの水溜りトンネルすぐ近くにある、もう一つの地下壕への入り口は水溜りになっていないので、中を進んで探索することができます
内部は広々として、通路の幅は約5メートル、天井の高さは約3メートルほどでした

地下壕への入り口。コンクリート塀が設置されている
入り口の様子

内部は真っ暗。登山用のライトを持参しましたが、明かりが十分ではなく、ほとんど前が見えません
トンネルを数十メートル進むと、先ほどの水溜りに続く分かれ道が現れます。あみだくじのようにそれぞれの道がつながっている

内部の様子
入ってすぐは明るいが、少し進むと真っ暗になる

屯鶴峯旧日本陸軍地下壕は敗戦が濃厚となった太平洋戦争末期の時代に航空部隊、航空総軍の戦闘司令所として掘削されました。
驚くことに、終戦の日8月15日まで工事が進められていたという

日本で建設された地下壕の戦闘指令所は、屯鶴峯地下壕と長野県長野市の松代大本営地下壕の2カ所だけ。本土決戦を見据えての掘削で急ピッチで作業が進められたと記録にあります

参照

香芝の屯鶴峯地下壕、戦争の史跡を市民ら見学 ニュース奈良の声 2015年8月9日 浅野善一 http://voiceofnara.jp/news484.html
屯鶴峯地下壕(香芝市) 太平洋戦争末期に建設 ここにもあった戦跡 /奈良 毎日新聞 2020年12月2日 https://mainichi.jp/articles/20201202/ddl/k29/040/371000c

出口の写真
先ほどの入り口からまっすぐに進むとトンネルから脱出することができました。

ソロで探検!どんづるぼうにある地下防空壕(奈良の心霊スポット) キャベシ太郎 Motorcycle

YouTuberの「キャベシ太郎 Motorcycle」さんが分かれ道を含め、地下壕を詳しく探索した動画をUPされています

屯鶴峯の見所

屯鶴峯旧日本陸軍地下壕へは観光地化された屯鶴峯の入り口から進むとたどり着くことができます
地下壕だけでなく、屯鶴峯の様子もお伝えします

屯鶴峯の景色
トルコのカッパドキアを連想させる景色が広がる
ぼこぼこと岩が露出する谷
驚くほどに、真白な絶景が広がる

屯鶴峯(どんつるぼう)と不思議な名前の由来は「遠くから見ると鶴が屯(たむろ)しているような奇観のため」

なぜ白いのかというと
奈良と大阪にまたがる二上山の千数百万年前の火山活動により火山灰や火砕流が沈積し、その後の隆起によって白い凝灰岩が露出。1500万年間の風化・浸食を経て奇岩群となった

屯鶴峯は標高約150mの岩山で気軽に登ることができる

地下壕への行き方

屯鶴峯を登りしばらく進むと、「この先行き止まり」と記されたラミネート紙が木に括り付けられています。まっすぐ進むと分かれ道に差し掛かる

分かれ道の様子
ここを右に進みます

地下壕への道のりを簡単に説明すると、山道をしばらく登って屯鶴峯の麓へと急激にくだるというイメージです

道中に「この道であってるの?」と不安になるかもしれませんが、木に赤いテープがくくりつけられていることと、時折手書き看板のルートを示すテープ示されているので注意深く進めば迷うことはない

分かれ道
分かれ道が現れた際、赤いテープを見つけよう。この分かれ道では左に曲がるといい

下写真の分かれ道は、どちらへ進んでも地下壕にたどり着くことができます
左に進むと鉄塔を経由して、地下壕へ向かうルートになる。右に曲がると地下壕への最短ルートだ

分かれ道の写真

この先を進むと、急激に坂道をくだることになる。小さな小川を越えた先が地下壕だ

地下壕は立ち入り禁止

1993年から「NPO法人屯鶴峯地下壕を考える会」が地下壕の保存を訴える為、毎年終戦の月である8月に地下壕の見学会を実施しています
地下壕へ訪れる際は、この見学会を利用しましょう
問い合わせは以下を参考にしてください

奈良県 文化・教育・くらし創造部 青少年・社会活動推進課 
奈良県奈良市登大路町30番地 奈良県庁主棟1F 
0742-27-8715 

また地下壕の一部は京都大学防災研究所附属地震予知研究センター屯鶴峯観測所として使用されており、地震予知研究計画の一環として地殻変動の連続観測が実施されています
坑道部は崩落の危険性があることと,観測に支障をきたすことから立ち入りは禁止されています

参照

京都大学防災研究所附属 地震災害研究センター 屯鶴峯観測所 https://eqhz.dpri.kyoto-u.ac.jp/obs/DON.html

アクセス

所在地:香芝市穴虫地内(穴虫峠から北東へ約350m)、県道703号線沿い
Googleマップで詳しい場所を確認する
駐車場:普通車5台
トイレ:有(駐車場内)

まとめ

屯鶴峯旧日本陸軍地下壕は、戦時中に人々が困難な状況に直面していた時代の、貴重な記録として、今なお多くの人々に注目されるスポットです

今回は地下壕への見所だけでなく行き方についても詳しく記入しましたが、許可のない立ち入りは禁止されているのでご注意ください

以上です。最後まで、ご覧いただきありがとうございました