愛知県名古屋市港区、金城ふ頭の一角に役目を終えた信号機たちがまるでアートオブジェのように集められた場所、通称「信号機の墓場」があります。まるでジェンガのように無数に積み重ねられた信号機の姿は圧巻!そのどこか懐かしく、切なさすら感じる光景は「ノスタルジックでエモい!」と、珍しいもの好きや廃墟ファンの間で口コミが広がり、密かな人気を集めています。
今回は、そんな知る人ぞ知るディープなスポット「信号機の墓場」の全貌を、この記事でしか見られない貴重な写真とともに徹底レポート!一体どんな場所なの?そんなあなたの疑問に、たっぷりお答えします。

信号機の墓場はいつまで見られるかわからない儚くも美しい光景が広がるスポット。 独特の空気感と強烈なインパクトが漂っていました!
ノスタルジーの終着点。名古屋「信号機の墓場」に積み重なる時の記憶

名古屋市の金城ふ頭交番のすぐ裏手に、まるで都市の片隅に隠された秘密のような場所が存在します。それが、知る人ぞ知る「信号機の墓場」です。
一歩足を踏み入れると目に飛び込んでくるのは、役目を終えたおびただしい数の信号機たち。それらがまるで巨大なレゴブロックのように、あるいは無造作なアート作品のように、約2メートルもの高さにまで積み重ねられています。その異様な光景は、一見すると打ち捨てられた廃墟のような物寂しさを漂わせつつも、なぜか見る者の心を捉えて離さない不思議な魅力に満ちています。

工場地帯という無機質な風景の中にありながら廃墟やノスタルジック好きの間で有名なスポット。しかし、年々規模が縮小されてきています。
【立入禁止の絶景】名古屋「信号機の墓場」無機質な荒野に眠る、物悲しくも美しい巨人たち

絶え間なく大型トラックが行き交う、港へと続く広漠とした殺風景なエリア。そこに、「信号機の墓場」は静かに佇んでいます。周囲には他にめぼしいものはなく、その場所だけが放つ無機質でどこか物悲しいオーラは、訪れる者に強烈な印象を与えます。
かつて街の喧騒の中で、日夜休むことなく人々の安全を導いてきた無数の信号機たち。その役目を静かに終え、高く積み上げられた姿は、まるで永い眠りについた巨人たちの墓場のようです。
ただ、信号機の赤、青、黄色と規則正しく連なる色彩は、まるで一種の幾何学的な文様のようでもあり、独特の秩序と美しさを感じさせます。

印象的だったのは夕暮れ時。沈みゆく太陽の最後の光が信号機のレンズを捉えると、まるで最後の命を燃やすかのようにキラキラと乱反射し、辺り一面に幻想的な光景を描き出していました。
背伸びしてでも見たい!フェンスが隔てる「信号機の墓場」厳重管理の理由

信号機の墓場はフェンスによって囲まれており、近づくことはできません。またフェンスには有刺鉄線がはられているため、目一杯背伸びをしないとカラフルな信号機が並ぶ景色は撮影できない状況でした。これほど厳重に管理されているのは、万が一、積み上げられた信号機が崩落した場合の危険性に加え、貴重な部品の盗難を防ぐためでもあるのでしょう。
「期待外れ…?」それでも「信号機の墓場」が特別な場所である理由

正直にお伝えすると、実際に「信号機の墓場」を目の当たりにした第一印象は、SNSなどで見かける息をのむような写真ほどの強烈なインパクトは感じませんでした。かつては何千もの信号機が山のように積み上げられていたという全盛期に比べ、現在は数百機程度にその規模が縮小されているためです。それでも、都市の片隅にひっそりと佇むこの場所は都市の変遷や、モノの寿命について考えさせてくれる貴重な空間であり全国的にも珍しい場所です。

謎解明】なぜここに信号機の山が?「墓場」誕生の裏には“LED革命”があった!

なぜここまで沢山の信号機が一箇所に集められているのでしょうか?実はここ、2018年までに撤去された古い信号機の一時的な保管場所なのです。近年、街中の信号機がLED式へと入れ替わっているのを目にする機会が増えました。このLED化こそが、信号機たちが「墓場」へと送られることになった最大の理由です。
従来の電球式の信号機は、西日が当たると見えにくくなったり、寿命が短かったりといった問題がありました。しかし、LED信号機は、消費電力が少なく、長寿命であるうえ、太陽光の影響を受けにくいという大きなメリットがあります。
より安全で効率的な街づくりを目指し、多くの自治体でLED信号機への切り替えが進められた結果、役目を終えた古い信号機が大量に発生しました。これらの信号機は、一時的にこの場所に集められ、まるで墓場のようになったのです。
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これらの撤去された信号機は最終的には解体され金属としてリサイクルされます。しかし、一度に大量の信号機を解体するのは現実的ではないため、一時的にこの場所で保管されているのです。
アクセス
住所:金城ふ頭交番(愛知県名古屋市港区金城ふ頭1丁目1−2)
詳しい場所をGoogleマップで確認する
この交番の後ろに信号機の墓場があります

まとめ
名古屋港金城ふ頭の一角に、まるで都市の記憶が積み重なったかのように存在する「信号機の墓場」。そこは、役目を終えた無数の信号機たちが織りなす、物悲しくも美しく、そしてどこか私たちの日常に静かな問いを投げかける場所でした。
積み上げられた信号機は、時に静かに眠る巨人たちのようであり、また夕暮れ時にはレンズが最後の輝きを放つ幻想的なアートのようでもありました。しかし、その姿は頑丈なフェンスと有刺鉄線に守られ、容易に近づくことを許さない厳重な管理下に置かれています。この場所が生まれた背景には、街の安全と効率を追求するLED化という大きな技術革新があり、役目を終えた古い信号機たちの一時的な集積地となっていたのです。
訪れてみれば、SNSで見る華やかなイメージとは異なる現実や、全盛期に比べて規模が縮小しているという事実もあるかもしれません。それでも、「信号機の墓場」が持つ本質的な価値は薄れることはありません。それは、絶えず変化する都市の姿、技術の進歩によって役割を終えるモノたちの運命、そして私たちの生活を支えてきた存在への感謝や追憶といった、さまざまな思索へといざなってくれる貴重な空間です。
近づくことは叶わなくとも、フェンスの向こうに広がる非日常的な光景は、私たち自身の記憶や、変わりゆく時代について深く考えるきっかけを与えてくれるでしょう。もし金城ふ頭を訪れる機会があれば、少し足を延ばし、この都市の片隅で静かに時を刻む信号機たちの声に、そっと耳を澄ませてみてはいかがでしょうか。最後までご覧いただきありがとうございました。


