日本にある人魚ミイラの中で、最大のサイズを誇る個体が静岡県・富士山麓に位置する新興宗教「天照教社」に安置されています。
猿を加工したような小型ミイラとは訳が違う、成人男性並みの巨大な人魚。現在は公開されておらず、連絡先すら不明という完全なブラックボックス状態です。
果たして実在するのか? 周辺取材と文献からこの幻の巨大ミイラについてレポートします。
天照教社の問い合わせ先に連絡して応答なし

結論から申し上げると、天照教社への問い合わせ手段は一切ありません。
ネット上の情報を遡ると、2018年頃までは拝観できていた記録が見つかります。
しかし、2025年に実際に現地を訪れても常駐している職員の姿はなく、ひっそりと静まり返っていました。
問い合わせ先として公開されている電話番号にかけても、返ってくるのは無機質な「現在使われておりません」のアナウンスのみ。Facebookの公式アカウントも存在しますが、メッセージを送っても梨のつぶてで、既読すらつきません。
藁にもすがる思いで、北海道にある同名の「天照教」という団体にも電話取材を試みましたが、「静岡の天照教社とは無関係です」との回答。
あらゆるルートを当たりましたが、門戸は固く閉ざされており、日本最大の人魚ミイラは現在、完全に見ることができない状態となっています。
- 現地: 職員常駐なし、もぬけの殻。
- 電話: 「現在使われておりません」で不通。
- SNS: Facebookへの問い合わせも返答なし。
- その他: 北海道の同名団体に問い合わせるも「無関係」と判明。
管理者は現在遠方に住んでいる

諦めかけたその時、偶然、富士山修行を行っていた修験道の団体に遭遇。
「ちょっといいですか?」と話を聞くと、なんと彼らは行場の近くにある天照教社の駐車場を間借りしているとのこと。
つまり、教社の関係者と接点がある数少ない人々だったのです!
彼らの証言によれば、現在の状況はこうです。
- 現在の管理者は、関東地方在住(ここにはいない)。
- 先代の管理者は近隣に住んでいるが、高齢のため引退済み。
「親しい間柄ではないので詳しくはわからないが、建物は綺麗に保たれているので、清掃業者や檀家さんが定期的に入っているはず」とも教えてくださりました。
天照教社の様子

実際に境内を歩いてみました。
そこにあるのは、拍子抜けするほど「普通」の神社の風景。怪しい雰囲気は微塵もなく、掃除も行き届いており、確かに今も誰かの手によって大切に管理されていることが分かります。
情報によれば、この静かな本殿の中に、あの全長170cmの人魚ミイラが祀られているはず。
期待を胸に近づきますが……無情にも扉はガッチリと施錠されており、中の様子を覗くことすら叶いません。
すぐ目の前に「それ」はいるはずなのに。あと扉一枚が、果てしなく遠い。 日本最大のミイラとの対面は、あまりにも残念な結末となりました。

人魚のミイラの詳細

以下は『天照教本社』【2010年5月号No.86】で掲載されている人魚のミイラの写真です
https://outer-network.com/outer-network.cgi?no=283
写真から人魚のミイラを観察してみましょう。人魚は寝かされている状態ではなく、尾びれの手前で体を曲げ、正面を向いた姿勢で固定されています。
座高は130センチ程ですが、尾びれを伸ばせば170センチもある巨大なサイズです。
胸の前に両手を添え、まん丸の目と口を広げて何かを訴えかけているような表情。口には牙が並び、アゴをよく見るとひげが生えています。表情に人間らしさがうかがえますが、肩幅に比べ大きな頭とつぶれた鼻は妖怪のよう。
大きなウロコが見て取れますが、ハゲている部分も見受けられます。これは人魚を食べると長寿に効くとして信者たちが食べてしまった跡。
人魚のミイラは譲り受けたもの
なぜ天照教社で人魚のミイラが奉られているのでしょう。経緯は以下のとおりです。
人魚のミイラは天照教社の初代教祖が明治12年に播磨で知り合った浦上という老人から譲り受けた品で
口伝えでは聖徳太子が生きていた時代に幾年となく漁を業とした罪により罰を受けた者が人魚となったとのこと。
人魚は殺生欲の恐ろしさを伝えるために末長くこの姿を残したいと語り息絶えたと伝えられています。
参考文献
山口直樹『[決定版]妖怪ミイラ完全File』学研パブリッシング 2010年
アクセス
住所:〒418-0011 静岡県富士宮市粟倉2608
まとめ
170センチの日本最大の人魚のミイラは深海に住む美しい人魚姫のような姿ではなく、殺生欲の業の深さを伝えるおぞましい姿でした。現在拝観する手段がないのが残念です。最後までご覧いただきありがとうございました


