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【青森のディープ遺産】第三新興街:戦後闇市・青線街の記憶と昭和レトロな現役歓楽街探訪

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青森県
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青森駅から徒歩わずか数分の場所に戦後から時が止まったかのような一角が存在します──「第三新興街」。

さびついたトタン屋根のバラック酒場群は「本当に今も営業しているの…?」と不安になるほどの静けさに包まれています。

しかし夜、怪しげなネオンが灯り始めると暗がりに人が集い始め、呼び込みも立つ現役の風俗街として妖しい熱気に満ちた場所へと変貌します。

雪国でひときわ異彩を放つこの風景は濃密な昭和の記憶へとタイムスリップさせます。

今回はそんな「第三新興街」の昼の顔と夜の顔、そしてそこに息づく独特の空気感を、写真と共にご紹介します。

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物見遊山

双子父の旅行ブロガー。家族旅行の合間に隙を見つけてはディープで不思議なスポットを巡っています。
旅行記を読むのが好きで、ライターに憧れてブログを始めました。面白いスポットがあればぜひ、教えてください!!

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青森駅前の光と影?おしゃれスポットと“日本有数”のスナック文化が共存する街

工場のような見た目のa-factoryの外観

本州最北端の県都・青森市の玄関口、青森駅。
駅前には洗練されたお洒落なスポットが目を引き、活気に満ちたお店が軒を連ねています。

しかし駅周辺を少し歩いてみると、ある意外な特徴に気づかされます。それは、他の地方都市と比べても際立ってスナックが多いこと。

実は青森県、人口一人当たりのスナック軒数が全国でもトップクラスにランクインするという知る人ぞ知るスナック王国の一面も持っおり、市内を散策すれば至る所でネオンが妖しく灯っています。

ネオンが怪しいスナック街の様子

「第三新興街」へ – 色褪せた看板が誘う昭和で時が止まったかのような異空間

第3新興街の文字

そんな新しさと夜の匂いが混じる青森の市街地をしばらく進むと、まるで時代をその場に閉じ込めたような古びた建物が密集する「第三新興街」にたどり着きます。

入口には長年の風雪によって鮮やかな赤色がいちごミルクのような淡い色合いへと変化した看板が掲げられ、かろうじて「第三新興街」の文字が読み取れます。

時の通り“新しく興る街”と名付けられたこの場所ですが、その名とは裏腹に新しいというよりはむしろ強烈な昭和の残り香と退廃的な雰囲気が色濃く漂っていました。

昼下がりの「第三新興街」に潜入!静寂の中に響く生活音と現役歓楽街の証

訪れたのは、昼下がりの13時頃。

アーチをくぐり「第三新興街」の奥へと足を踏み入れると、意外にもいくつかの建物からかすかな音が漏れ聞こえてきました。

昼間から営業しているスナックの扉の向こうから響く楽しげな笑い声であったり、店舗の奥にあるであろう住居スペースから聞こえてくるテレビの音や話し声といった生活の音。

ひっそりとした佇まいではありますが、この街が今もなお現役の歓楽街として、息づいていることがわかります。

増改築が生んだ迷宮?第三新興街の奇妙な建物と“昭和フォント”の看板群

建物をじっくりと観察してみます。

多くが三階建てのようですが、どこか不思議ないびつさを感じます。

二階部分が道に大きく迫り出していたり、不自然なほど小さな入り口だったりと増改築を繰り返してきたであろう痕跡が随所に見られ、まるで生き物のような奇妙な一体感を生み出しています。

頭上には電線がやけに低い位置で複雑に交差している点も現代の街並みとは異なっている点です。

そして、この街の雰囲気を一層魅力的にしているのが強烈な個性を放つ看板の数々。

「ムーディーサロンクラブ」「リリアン」「寿宝」「富美子」など、その色使いや独特の“昭和フォント”は、もはや芸術の域といえるノスタルジー。

見慣れないバラック建築とこれらの看板に挟まれて歩いていると、時代に取り残されたような感覚を覚えます。

路地裏の発見とツッコミ – 「スナック青森」とノスタルジックなタイルに心惹かれる

青のタイル張りの建物に目をやると、これまた味わい深い店構えの「スナック青森」…いやいや、お店の名前にするのは自由ですけど、勝手に青森を代表しちゃダメでしょ!と思わず心の中でツッコミを入れてしまいました。

消えゆく昭和の風景 – 立入禁止の廃墟路地と、取り壊しを待つ建物たちへの惜別

アーケードから続くメインの路地の隣にも、もう一本通りが伸びていました。

しかしこちらは建物の老朽化が著しいためかパイロンが立てられ奥への立ち入りは禁止されています。
もちろん、営業している店の気配は全くありません。

こちらも増改築を繰り返したような歪な建物が多い。
全て廃屋だとはわかっているのですが、薄暗い窓の奥から誰かがこちらを覗いているのではないかという不安と好奇心が交錯します。

タイルの昭和感が良いね

実は、この「第三新興街」から少し離れた中央古川通の中華料理店「吉慶」の近くなどにも、同様の雰囲気を纏った建物群がまだいくつか残されています。(詳しい場所をGoogleMapで確認する。)。

懐かしい漫画「タッチ」に出てきそうな、レトロな看板を掲げたサロン(おそらく、“アレ”なお店なのでしょう…)なども発見することができました。

しかし残念ながら、こうした昭和の面影を色濃く残す風景は都市開発の波の中で刻一刻と失われつつあります。

私が見た路地の裏手でも、かつては風情ある建物が軒を連ねていたであろう場所が、既に取り壊されて更地になっていました。

青森市内に残る、ノスタルジックな建物群もいつまでその姿を私たちに見せてくれるのか…そう考えると、とても貴重な風景を目の当たりにしているのかもしれません。

この建物が取り壊されるのも時間の問題か

【青森・第三新興街の歴史】青森大空襲が生んだ闇市と青線街、そして現役ナイトスポットとしての今

第三新興街のアーチからの風景

ひっそりと息づく「第三新興街」ですが、
この街が生まれた背景には、第二次世界大戦末期の青森大空襲が深く関わっています。

かつて青森市は本州と北海道を結ぶ人流・物流の要所であり、北東北地域の物流拠点としても栄えた活気ある港町でした。

しかし、1945年(昭和20年)7月28日から29日にかけて行われた大規模な空襲により、現在の青森駅周辺を含む市中心部は一面の焼け野原に。

そんな絶望的な状況の中から、一日も早い復興と豊かな生活を望み当時の人々は法律を無視する形でバラックを次々と建て始め、そこから自然発生的に闇市が形成されていきました。その一つが第三新興街。

元々人の往来が激しい港町という土壌と厳しい環境下での労働者たちの欲望が交錯し、表向きは飲食店でありながら裏では売春行為も提供する店が点在する、いわゆる「青線街」として独自の発展を遂げていったのです。もしかした第一、第二もあったのかな?

そして驚くべきことに、現在の「第三新興街」も青線街としての名残が続き、現役のナイトスポットとして機能しています。
夜になると呼び込みをする人の姿も見られ、妖しい明かりをひっそりと灯し続けています。

長らく戦後の闇市の名残りが続いていたが青森駅周辺。平成元年頃に取り壊され、一気に再開発が進みました。

そんな中、駅から南に徒歩数分程度の場所にある「第三新興街」は、その再開発の流れを受けず(いや、漏れたのかもしれませんが)未だにバラック酒場が密集する怪しい風景が広がっています。

青森の再開発されたエリアにもそれらしい店があったようには思いますが、老朽化が進み廃墟が並ぶ「第三新興街」が生き残っている理由はなんなのでしょうか?

戦後復興や希望といった当時の不思議でダークなエネルギーを微かに感じずにはいられない魅力的な場所だからなのかもしれません。

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まとめ

青森駅前の現代的な喧騒から、ほんの数分歩いた先に突如として現れる、時が止まったかのような異空間「第三新興街」。

今回は、戦後の闇市から生まれ、昭和の空気を色濃く、そして生々しく今に伝えるこの街のディープな魅力に迫りました。

増改築を繰り返し迷路のように入り組んだ路地裏、強烈な個性を放つ色褪せた看板の数々、そして昼間の静寂とは裏腹に、夜になるとどこからともなく蘇る妖しい活気…。

この街は、綺麗に整備された観光地では決して味わうことのできない、人間のたくましさや、時代の持つ猥雑でエネルギッシュな空気を、私たちに容赦なく突きつけてきます。

「第三新興街」は、ただ古いだけの場所ではありません。それは、青森という街が刻んできた戦後復興のリアルな記憶であり、そこに生きた(そして今も生きる)人々の喜怒哀楽が染み込んだ、他に類を見ない空間です。しかし、その貴重な姿も、いつかは失われてしまうのかもしれないという一抹の寂しさも感じずにはいられません。
このディープで刺激的な、そしてどこか切ない街並みを実際に歩き、あなたは何を感じ、何を思うでしょうか。次に青森を訪れる機会があれば、ぜひ勇気を出してこの「第三新興街」のアーチをくぐり、その**強烈なまでの“昭和”**を体感してみてください。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

参考

国土交通省東北地方整備局青森港湾事務所 青森港の概要http://www.pa.thr.mlit.go.jp/aomori/020/010/010/20200101101000.html
1970年頃の青森市の映像
https://www.youtube.com/watch?v=u32dfpO_HHU

アクセス

住所:〒030-0862 青森県青森市古川1丁目3