\おすすめ旅行グッズ一覧はこちら/
記事内に広告が含まれる場合があります

【高野山・慈尊院】なぜ“おっぱい絵馬”?女人高野の歴史と、奇跡の案内犬ゴンの物語

スポンサーリンク
おっぱい絵馬 和歌山県
スポンサーリンク

世界遺産・高野山の厳かな玄関口に佇む「慈尊院」。しかし、この由緒あるお寺で一度見たら忘れられない強烈な記憶を刻み込むのが、世にも珍しい「乳房型絵馬」の存在です!一般的な板に願い事を書く絵馬とは全く異なり、白い布でふっくらと立体的に形作られた丸み、そして中央にはリアルなピンク色の乳首…。そのあまりにもストレートな“おっぱい”の造形に、「えっ、なぜこんな神聖な場所に、こんなにもリアルなものが!?」と、誰もが戸惑いを隠せないはず。

不屈のブルースチェン(ライター)
不屈のブルースチェン(ライター)

今回はこの慈尊院でしかお目にかかれない衝撃的でユニークな乳房型絵馬の数々と、そこに込められたかな願いや信仰の謎に豊富な写真と共に迫っていきます! 一体どんな物語が隠されているのでしょうか?

スポンサーリンク

なぜ慈尊院に「おっぱい絵馬」?生命の源を象徴する、ユニークな乳房型絵馬の深い信仰

おっぱいの絵馬

由緒正しい慈尊院で訪れる者の度肝を抜き、そして強烈な印象を残すのがリアルな“おっぱい”の形をした「乳房型絵馬」です。本堂の前に立つと、まず視界に飛び込んでくるのは、柱にくくりつけられる形で奉納しされた、“おっぱい、おっぱい、おっぱい…”。白い布で表現された柔らかな丸みと中央に配されたピンク色の乳首の生々しいまでのリアルさには、見てはいけない物に遭遇し思わず目を逸らしそうになるほどの衝撃を受けます。厳かで静かな境内の中で「なぜお寺にこんなにも大胆なものが…?」と、誰もが最初は戸惑い、そして頭が混乱してしまうかもしれません。

小さな乳房型絵馬

しかし、この極めてユニークな絵馬が奉納されるのには深い理由と、切実な願いが込められた信仰が背景にあります。慈尊院は古くから子授け、安産、育児、そして母乳の出が良くなるようにといった授乳に関する願い、さらには良縁など女性のライフサイクルや母性に関連する様々な祈願にご利益があると篤く信じられてきました。そのため、**生命の源であり、女性そして母性の象徴でもある“乳房”**をかたどった絵馬に、それぞれの切実な願いや感謝の気持ちを託して奉納する風習がこの地に自然と生まれたのです。

圧巻!本堂前を埋め尽くす無数の“おっぱい絵馬” – 時を超えた願いの形と奉納の作法(値段も)

3千円と書かれたえま

慈尊院の本堂前に立つとその光景に圧倒されます。境内には大小さまざまな「乳房型絵馬」が、ひしめき合うように奉納されているのです。長年風雨にさらされ、少し萎びたように見える古い絵馬は一体何十年前にどんな想いを込めて奉納されたものなのでしょうか。
ちなみに、このインパクト絶大な乳房型絵馬は一体3千円で奉納できるとのこと。また、もう少し小ぶりで可愛らしい「ミニ乳房型絵馬」もあり、そちらは2千円で奉納できます。

弘法大師創建の古刹 – 高野山の表玄関「慈尊院」の歴史と多様な役割

世界遺産・高野山の麓、聖域への表玄関として静かに佇む「慈尊院」。その歴史は古く、弘仁七年(816年)に弘法大師・空海が、高野山を開創するにあたり、この地に伽藍を創建したことに始まります。以来、慈尊院は高野山の庶務を司る要所として多くの参詣者の宿坊、さらには僧侶たちの冬期における避寒修行の場としても長きにわたり重要な役割を担ってきました。
慈尊院|和歌山県の慈尊院公式サイトhttp://jison-in.org

「女人高野」として女性の祈りを繋ぎ世界遺産へ – 慈尊院の特別な意義と現在の姿

高野山が明治5年(1872年)まで厳しい女人禁制を敷き女性が神聖な山内へ足を踏み入れることが固く禁じられていた時代に慈尊院は特別な意味を持っていた場所でした。山内に入ることが叶わなかった女性たちにとって、慈尊院は高野山への篤い祈りを捧げることができる**唯一とも言える“祈りの最終地点”**だったのです。そのため「女人高野」と尊称され数えきれないほどの女性たちの切実な信仰を受け止め続けてきました。こうした深い歴史的・文化的重要性から、慈尊院は現在、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の貴重な構成資産の一つとして、その価値を国内外に広く伝え、今もなお多くの人々を惹きつけています。

不屈のブルースチェン(ライター)
不屈のブルースチェン(ライター)

現代的な感覚ではおっぱい=エロいもの、として捉えてしまいがちですが奉納の由縁やお寺の歴史を知るとまた違った目線で乳房型絵馬を見ることができますね。

慈尊院で出会う“伝説の案内犬”ゴン!弘法大師の犬の生まれ変わり?心温まる石碑の物語

ごんのひ

境内にある「高野山案内犬・ゴンの碑」も見どころの一つです。
話は昭和60年代に遡ります。慈尊院の近くに一匹の野良犬が住み着きました。驚くべきことに、誰に教わるでもなく、この犬はいつしか慈尊院から聖地・高野山へと向かう参詣者たちの道案内をまるで自分の使命であるかのように始めたのです。「ゴーン」となる鐘の音を好んだというその健気な犬は「ゴン」と名付けられ多くの人々から深く愛されました。
ゴンは2002年6月5日に静かにその生涯を終えましたが、その功績とゴンを愛した人々の記憶を後世に伝えるため、同年7月23日、弘法大師像のすぐ隣に凛とした表情で遠く高野山を見つめるかのようなゴンの石碑が建立されました。
実は、1200年も昔、弘法大師が高野山を開く際にも、道案内をした犬がいたという古い伝説が残されています。そのため、地元の人々の間では**「ゴンは、あの大師様の案内犬が生まれ変わってきたのではないか」**と、今もなお優しく、そして誇らしげに語り継がれているのです。

近くのおすすめスポット(車で数分の場所)
無数の鎌が突き刺さる大樹(呪いスポットではない)【鎌八幡宮】
高野山の麓に眠る人魚のミイラ【学文路苅萱堂】

アクセス

住所:伊都郡九度山町慈尊院832
詳しい場所をGoogleマップで確認する
TEL:0736-54-2214
営業日:8時00分~17時00分
公式HPhttp://jison-in.org

まとめ

世界遺産・高野山の麓に静かに佇む「慈尊院」。今回は、弘法大師・空海によって開かれたこの古刹が持つ、深い歴史とユニークな信仰、そして心温まる物語をご紹介しました。かつて高野山が女人禁制であった時代、多くの女性たちの祈りを受け止め、「女人高野」としてその魂を癒し続けた慈尊院。その歴史は、現代に生きる私たちにも、信仰の篤さと時代の大きなうねりを静かに語りかけてきます。そして、その象徴とも言えるのが、本堂前に無数に奉納された**「乳房型絵馬」**。子授け、安産、育児といった女性たちの切実な願いが込められたこのユニークな絵馬は、一見すると驚くかもしれませんが、その背景にある生命への賛歌と母性の祈りに触れると、深い感動を覚えずにはいられません。年齢と同じ段数のハシゴを奉納するという、おねしょ封じの微笑ましい風習もまた、この寺院ならではの温かい信仰の形でした。さらに、境内には**「高野山案内犬・ゴン」の石碑**が、弘法大師像の隣に凛として佇んでいます。誰に教わるでもなく参詣者を高野山へ導いたという賢くけなげなゴンの物語と、1200年前の弘法大師の案内犬の生まれ変わりかもしれないというロマンあふれる伝説は、訪れる人々の心を優しく包み込みます。慈尊院は、ただ古いだけの寺院ではありません。そこには、弘法大師の壮大な構想、女人禁制という厳しい時代を生きた女性たちの切なる祈り、ユニークな形で表現される民衆の信仰、そして動物と人との心温まる絆といった、幾重にも重なる物語が息づいています。高野山の表玄関としてだけでなく、その歴史と信仰の多様性、そして今もなお多くの人々を惹きつけるその深い魅力に、ぜひ触れてみてください。最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。