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【滋賀の珍スポット】東近江大凧会館が凄い!1.5トンの巨大凧と、軍事・呪術用の“ヤバい凧”

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大凧が展示されているよう 滋賀県
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「お正月には凧あげて♪」──誰もが知るこの童謡のように、凧は子供の遊び道具というイメージが強いかもしれません。しかし、滋賀県東近江市にある「世界凧博物館 東近江大凧会館」はそんなイメージを遥かに超える、凧の奥深い世界へと私たちを誘います。

館内でまず度肝を抜かれるのは、重さ1.5トンの見上げると首が痛くなるほどの巨大な「東近江大凧」!さらに、世界中から集められた不思議な凧や、軍事・呪術で使われたミステリアスな凧まで展示されています。

不屈のブルースチェン(ライター)
不屈のブルースチェン(ライター)

今回は、そんな凧の持つ文化的で摩訶不思議な魅力が詰まった「東近江大凧会館」の見どころを豊富な写真と共にご紹介します。**あなたの知らない“凧の世界”**が、ここにある。

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圧巻!重さ1.5トン、100人がかりで揚げる「東近江大凧」の衝撃スケール

近江大凧

「世界凧博物館 東近江大凧会館」の一番の見どころは、館内中央にズドーンと展示された巨大な**「東近江大凧」です。その大きさは縦20.5メートル、横19メートル、重さはなんと1.5トン。作成費用は300万円にも上り、実際に空に揚げる際には100人もの引き手が必要**になるという、まさに規格外の大凧。その圧倒的な迫力には、ただただ言葉を失います。

不屈のブルースチェン(ライター)
不屈のブルースチェン(ライター)

見上げていると首が痛くなるほど巨大な大凧!凧からは感じたことのない迫力を放っていました。

新成人の願いを乗せて空へ!東近江市に伝わる「大凧揚げ」の伝統と文化財

成人式の祝いで揚げられる大凧の展示

大凧の反対側に目を向けると、新成人を祝う式典で使われた**「20畳敷東近江大凧」が展示されていました。この博物館がある東近江市は江戸時代から続く大凧作りの町として有名です。毎年、新成人たちが地元の人々と一緒に、願い事を書いたこの「20畳敷東近江大凧」を大空に揚げるユニークな取り組みでも知られています。この「近江八日市の大凧揚げ習俗」**は、国の選択無形民俗文化財にも選ばれている、地域が誇る大切な文化です。

ダジャレ?いや江戸の粋!大凧に隠された絵解き「判じもん」の謎

うさぎととらのハンジモンが描かれたたこ

東近江大凧には、「判じもん」と呼ばれる、絵柄に意味を持たせる面白い特徴があります。例えば、メインで展示されている巨大凧。ここには辰(たつ)が2匹と「健」という文字が描かれていますが、これは「辰辰(しんしん)健やか」、つまり**「心身健やか」**という願いを表す言葉遊びです。
さらに卯年の新成人を祝う大凧には、「ウサギ」と「木目(もくめ)」、そして「湧(わく)」という漢字が。これは**「ウキウキワクワク」**という気持ちを表現しているのだとか。

不屈のブルースチェン(ライター)
不屈のブルースチェン(ライター)

「親父ギャグか?」と思ってしまう「判じもん」ですが、江戸時代に庶民の間で流行した粋な知的ゲームでした。

新成人が込めた言葉
大凧の裏には、新成人の決意が記されていました

巨大凧を空に飛ばす技術!風を逃がす「切り抜き工法」と運搬のための「長巻き工法」

長巻き工法
竹の骨を抜き、収納された大凧の様子

東近江大凧には、他の凧にはないユニークな制作技術も見られます。その一つが**「切り抜き工法」**。これは、絵柄の線に沿って凧の一部を切り抜くことで、巨大な凧が受ける風の抵抗を巧みに逃がし、揚げ糸の強度と凧全体のバランスを保つための素晴らしい工夫です。

そしてもう一つが、巨大な凧をくるくると巻いて収納し、運びやすくするための**「長巻き工法」**。この技術があるからこそ、あの1.5トンもの大凧を、この博物館の中に運び込み、展示することが可能となっているのです。

【東近江大凧会館】2階「カイトロード」で学ぶ世界の凧文化 – 軍事利用からリアルすぎるコウモリ凧、魔術用凧まで

インドネシアのコウモリ凧

2階には、世界中のユニークでカラフルな凧を約100点展示した**「カイトロード」**があります。凧といえば遊び道具、というイメージはここで完全に覆されます。

例えば、軍事目的のスパイ活動で使われた凧や、神や天国と交信するための呪術的な儀式で揚げられた凧など、世界には私たちの知らない凧の文化が沢山あることが展示とともに示されています。ベンジャミン・フランクリンの電気実験は有名ですが、マオリ島やソロモン諸島では、今でも葉や木の枝で作った凧を漁の道具として活用している地域もあるというから驚きです。

そんな世界の凧の中でも、ひときわ異様な存在感を放っているのが、上写真のインドネシアのコウモリ凧。その顔は不気味なほどリアルで、まるで**未知の生物UMA(ユーマ)**と間違えてもおかしくないほどのデザイン。なんと、ご丁寧に眉毛まで生えています!

「カイトロード」は、凧揚げという一つの文化を切り口に、世界の様々な歴史や暮らしを学べる、非常に面白い展示空間となっています。

凧の世界史 https://yellowjaguar3.sakura.ne.jp/History.htm
凧の会会報に「凧の世界史」として寄稿された記事が紹介されています

【日本の凧展示室】青森「津軽凧」に学ぶ!竹がない土地の驚きの工夫

青森のたこ

2階にある**「日本の凧展示室」**も大変興味深い空間が広がっています。ここでは、北は北海道から南は沖縄まで日本各地に伝わる伝統的な凧が勢揃いしており、その多様性には目を見張ります。

例えば、写真の勇壮な武者が空を舞うデザインは、青森県津軽地方の伝統的な凧**「津軽凧」。実は、寒さの厳しい青森県では、凧の骨組みに一般的に使われる竹がなかなか育ちません。そのため、この津軽凧では、代わりにヒバの木を薄く削ったものを骨組みとして利用している**のです。その土地の自然環境が生んだ、素晴らしい知恵と工夫ですね。

凧は西に行くほど大きい?日本が世界に誇る“凧の宝庫”とその多様性

日本のさまざまなたこ

日本は、世界でも類を見ないほどの**“凧の宝庫”**だと言われています。日本の凧とひと口に言っても、その形や大きさは地域によって実に様々。
例えば、北から南、特に西の海側へ行けば行くほど凧は大きくなる傾向があったり、強い海風に耐えるために形がより複雑になっていったりと、その土地の気候や風土が凧の個性を育んできました。それぞれの凧に込められた意味やデザインの違いを見比べるのも、この博物館の大きな楽しみ方の一つです。

アクセス

住所:東近江市八日市東本町3番5号
詳しい場所をGoogleマップで確認する
営業時間:9:00~17:00(ただし入館は16:30まで)
休館日:第4火曜日、祝日の翌日、年末年始
料金:一般:300円 小中学生:150円
TEL:0748-23-0081
駐車場有

世界凧博物館 東近江大凧会館の公式HPはこちらhttp://oodako.net

まとめ

今回は、滋賀県東近江市にある「世界凧博物館 東近江大凧会館」の、奥深くも楽しい魅力をご紹介しました。
見上げると首が痛くなるほどの**巨大な「東近江大凧」**の迫力。そして、軍事や呪術にも使われたという、世界の摩訶不思議な凧たちとの出会い。大凧に隠された「判じもん」という言葉遊びの面白さも、この博物館ならではの発見でした。
見るだけでなく、自分だけの一枚を作れる**凧作り体験(300円・要予約)**は、子供はもちろん大人も夢中になるはず。何より、館内のスタッフの方々が、凧への愛情たっぷりに、とても親切に解説してくださる姿も心に残りました。
「世界凧博物館 東近江大凧会館」は、凧という一つの文化を通して、日本の伝統、世界の多様な暮らし、そして人々の願いに触れることができる、素晴らしい場所です。滋賀を訪れた際には、ぜひこの空飛ぶアートの世界を体験してみてください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

お土産凧
お土産に購入したミニ大凧。700円〜