京都市の北西に位置する愛宕山は、古くから火伏せの神として信仰を集めてきました。しかし、その歴史は信仰だけにとどまりません。20世紀初頭には、リゾート地として開発され、洋式ホテルやスキー場など当時最先端のレジャー施設が建設されました。その開発の象徴とも言えるのが、今回ご紹介する愛宕山ケーブルカーです。当時「東洋一」と謳われたこのケーブルカーは、戦前日本の栄華を物語る存在でした。
しかし、第二次世界大戦の激化とともに、資材不足などの理由からケーブルカーは廃業。現在は廃墟としてその姿を残すのみとなっています。詳しい様子を写真とともにお伝えします。
愛宕山ケーブルカーへの道のり
愛宕山ケーブルカーへは通常の登山ルートを登り、正規ルート道中で現れる分かれ道を進むとたどり着くことができます。ただ、その分かれ道の場所が非常にわかりにくい。遭難事故も多発している地域なので、愛宕山ケーブルカーへ訪れる際は注意が必要です。以下ケーブルカーへの順路をお伝えします。
おすすめ駐車場情報
「愛宕山ケーブルカー」へは車での訪問が便利です。愛宕山の麓にある有料駐車場「さくらや(青木駐車場)」の利用がおすすめ。
公式HP:http://sakuraya.kiyotaki.kyoto/hp/
X:https://twitter.com/sakuraya_info
かなりタイムレスに駐車場情報が更新されています
駐車場の管理人の方に「毎年救助者が続出しているので、経験者でないと1人で登山をおすすめしていない。愛宕山に登ったことははありますか」と確認をされました。しっかり準備をして向かいましょう!
愛宕山は火伏せの神として信仰されている
目的地までは通常の登山道を進みます。道中、沢山の子供連れの家族と出会いました。印象的なのが、すれ違う子どもが全員幼いこと。その理由は、3歳未満で愛宕神社をお参りすると「一生火の難を免れる」と信仰されているからです。
ケーブルかーへの分かれ道はどこ?

登山中、「遭難者多数」という掲示板が目立ちます。ただ、午前中であれば登山者も多いので、迷うリスクは低いと思います。
しばらく進むと、「水尾別れ」という休憩所に到着します。この地点を目印に山頂の愛宕神社方面に進むと直ぐ右手に分かれ道があります。その道を進むと、愛宕山ケーブル駅に辿り着きます。昔は分かれ道がわかりやすいように、白い石が敷き詰められていましたが撤去されていました。
愛宕山ケーブルカーの詳しい様子

愛宕山ケーブルカーに到着しての一番の感想は「めちゃくちゃお化けが出そうな雰囲気」。入るのに非常に勇気がいります。

建物全体はクリーム色をしており、モダンな印象を受けます。




床下の空洞を目にすると、急に冷や汗をかく。「足をつけている床の下は空洞になっているので、いつ床が抜けてもおかしくないのでは・・・」
これまで、歩いていた場所が、急に危険地帯に変貌する。そろりそろりと歩いて、そそくさと帰路に向かいました。怖かった。
廃墟になる前は建物の下にケーブルを巻き付ける機械があって、その上に駅舎があった構造になっていたのだろう。


まとめ
「愛宕山ケーブルカー」跡。当時の面影を残し、ひっそりと佇む建物が魅力的で、恐怖心と好奇心が混在した不思議な感覚を得ることのできる場所でした
以上です!最後までご覧いただきありがとうございました
アクセス
朝早くに登山することをおすすめします。日暮れが大変速く、遭難の危険性があります
住所:〒616-8458 京都市右京区嵯峨愛宕町1
TEL:075-861-0658
近くの有料駐車場
さくらや(青木駐車場)
http://sakuraya.kiyotaki.kyoto/hp/
参考になるサイト
愛宕神社公式HPhttp://atagojinjya.jp
愛宕山登山安全マップ(京都府警)https://www.pref.kyoto.jp/fukei/anzen/tiiki/sangaku/atagosan.html