京都市山科区にある随心院は、小野小町ゆかりの寺として知られています。近年では、その美しい襖絵がSNSで話題となり、多くの観光客が訪れるようになりました。特に人気を集めているのは、本堂の書院にある「極彩色梅匂小町絵図」です。この襖絵は、小野小町が梅の花に囲まれ、美しい姿で描かれており、桃色の花が一面に咲き乱れる様子は、まるで絵巻物から飛び出したかのような美しさです。詳しい様子をご紹介します。
随心院の見どころ
随心院は京都市山科区の勧修寺や醍醐寺等の有名寺院の近くに位置しています。随心院の見どころはピンクの襖絵である「極彩色梅匂小町絵図」と「小野小町の化粧井戸」です。「小野小町の化粧井戸」からご紹介します。
小野小町が化粧をした水!?

平安時代の絶世の美女と謳われた小野小町ゆかりの「化粧井戸」と呼ばれる場所があります。小野小町はこの地で暮らしていたと伝えられており、この井戸の水で顔を洗っていたとされています。この水のおかげで、小町はいつまでも美しい容姿を保てたと言われています。
階段状に石が組まれているため水面へ降りることが可能です。この水を顔に付けると小野小町のように美人になれるかな?
由緒正しい境内にある現代アート
極彩色梅匂小町絵図は本堂へ通じる「能の間」に展示されています。本堂を拝観するには入館料が必要です。拝観受付では可愛らしい小野小町デザインのお守りや細かなデザインの御朱印帳が販売されています。

拝観受付を進むと、温かな印象のある小野小町に関するアート作品が展示されていました。これは、シャッターを開放状態にしたカメラに向かってペンライト等の光で描くライトペインティングという手法で描かれた作品。
お寺というとお堅いイメージがありますが、拝観受付すぐに目に入る場所にこのような現代的な作品があるという所に随心院の文化継承、文化発展に関する懐の深さと素晴らしさを感じます。
順路を進むと歴史的価値の高い素晴らしい襖絵が多数。残念ながら写真撮影は禁止でしたが狩野派の素晴らしい作品を見ることができます。

極彩色梅匂小町絵図の様子
目的の極彩色梅匂小町絵図が位置する能の間に到着!広々とした畳ばりの部屋の中に少しの面積しか占めない襖ですがその存在感は凄まじい。鮮やかな襖絵が鏡のように光を反射しているのではと錯覚する程の存在感です。

極彩色梅匂小町絵図は小野小町の一生を描いたという若手アーティストが手掛けた現代アート作品です。ウェディングフォトも受け付けているらしく、和装で写真撮影をされている方もいらっしゃいました。

襖絵に描かれるピンク色を古語で「はねず色」と呼びます。襖絵に描かれたはねず色の花々と黒いシルエットで描かれた人々がパキッと分かれていてよりその鮮烈さが際立っています。

随心院は植物が綺麗な京都の穴場スポット
随心院は梅、イチョウの名所としても知られています。特に秋になると黄色が爆発したようにイチョウが広がる美しい景色を楽しむことができおすすめです。
随心院の近くには醍醐寺や勧修寺など全国的に有名な寺院が立ち並びますが、随心院も負けず劣らずかなり魅力的。これら有名寺院と比べて、随心院の知名度は高くないので、京都の穴場スポットだと言えるでしょう。

境内にはサウンドトリップなる体験コーナーがありました。これも通常のお寺ではなかなか見かけない物だ。

アクセス
住所:〒607-8257 京都府京都市山科区小野御霊町35
TEL:075-571-0025
時間:9:00~17:00(受付終了16:30)
拝観料:堂内500円、梅園500円
※梅園の公開は4月1日(日)までを予定
アクセス:地下鉄東西線「小野駅」から徒歩約5分
駐車場有