音楽、演劇、古着…日本を代表するサブカルチャーの聖地・下北沢。若者文化が絶えず渦巻くこのエネルギッシュな街で半世紀以上にわたって愛され続ける伝説の町中華があります。それが、1964年(昭和39年)創業の老舗「珉亭(みんてい)」です!
ここは、THE BLUE HEARTSの甲本ヒロトさんや「孤独のグルメ」でお馴染みの松重豊さんが若き日にアルバイトとしていた場所としても知られています。一度見たら脳裏に焼き付いて離れない看板メニューが衝撃のピンク色のチャーハン!果たしてどんな味なのでしょうか!?

今回は、そんな「珉亭」の絶品ピンクチャーハンと下北沢の歴史と共に歩んできた、レトロでディープ、そしてどこか温かい魅力の全てを豊富な写真と共にたっぷりとお届けします!
平日も行列!下北沢「珉亭」ほぼ全員注文の看板メニュー「ラーチャン」とは?

下北沢の伝説的町中華「珉亭(みんてい)」は、その人気ぶりもまさに規格外。平日のお昼時であっても、その唯一無二の味を求める人々で絶えず活気に満ちあふれています。そして、入店したお客さんのほぼ全員が迷うことなく注文すると言っても過言ではないのが、珉亭の代名詞とも言える看板メニュー、その名も**「ラーチャン」**です!
これは、珉亭が誇る二大巨頭、衝撃的なビジュアルの名物ピンクチャーハンとシンプルながらも奥深い味わいの絶品ラーメンがセットになった、まさに夢のような組み合わせ。

珉亭を訪れたなら、まずはこの「ラーチャン」を頼むのが“下北沢の流儀”と言えるかもしれません。

衝撃のピンクチャーハン!その色の秘密は“紅チャーシュー”と脳裏に焼き付く優しい味わい

一度見たら忘れられない、鮮やかなピンク色のチャーハン。一体なぜこんな魅惑的な色をしているのか、気になって夜も眠れない(?)方もいるかもしれません。その秘密は具材としてふんだんに使われている自家製のチャーシューにあります。本場中国の伝統的な調理法にならい、豚肉のつけだれに食紅を加えることで真っ赤かのチャーシューを作り上げているのです。このチャーシューを米と一緒に豪快に炒める際に、チャーシューから染み出た色素がご飯粒一つ一つを艶やかなピンク色に染め上げているというわけ。

もちろん、食紅による味への影響は全くありませんのでご安心を。
カウンターの上には、その真っ赤なチャーシューが山盛りになったボウルがドンと置かれ、調理の様子を眺めていると、チャーシューを入れるタイミングを何回かに分け、リズミカルにフライパンへと追加されていくのが見えます。具材はシンプルに卵とこの紅チャーシューのみ。しかし、一口頬張れば、しっとりとしながらも絶妙にふんわりとしたお米に、まろやかな卵の風味と、チャーシューから溢れ出る優しい甘みが口の中で見事に調和し…本当に最高に美味しい! と心の中で叫びたくなるほどの、忘れられない逸品です。
セットのラーメンも主役級の美味さ!鶏ガラ黄金スープが五臓六腑に染み渡る“これぞ町中華の極み”

そして、「ラーチャン」のもう一方の主役であるラーメンも、決してピンクチャーハンの“引き立て役”などではありません。これがまた、一口すするだけで唸ってしまうほど、とんでもなく激うまなのです!つるりとした喉越しの良い、昔ながらの柔らかなストレート麺。そして、丼の底まで見通せそうなほど、美しい黄金色のスープ。レンゲでそっと口に運ぶと、そのじみ深く、しかしキレのある鶏ガラベースの味わいが、まるで**「胃袋を極上の温泉に優しく浸けたら、きっとこんな至福の感覚なんだろうな…」**と、あらぬ妄想を掻き立てるほど、五臓六腑の隅々までじんわりと、そして深く染み渡っていきます。まさに「これぞ町中華の極み!」と誰もが感動するシンプルながらも完成された王道の味わいです。
下北沢駅徒歩3分!「きたなシュラン」3つ星の勲章と懐かしさが漂う珉亭の店内へ

下北沢の「珉亭」は、京王線・小田急線の下北沢駅から、賑やかな通りを歩いてわずか3分という、アクセス抜群の場所にその歴史を刻んでいます。お店の顔とも言える店頭の食品サンプルショーケースには、ひときわ目を引く“栄光の証”が! それは、2013年にフジテレビ系列の人気番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」内の超有名企画、**「きたなシュラン」で、見事3つ星にノミネートされた際に贈られた記念のカップ**なのです。
一歩店内に入ると、確かに年季の入った、言葉を選ばずに言えば“きたない”雰囲気。しかし、それは決して不快なものではなく、むしろ長年多くの人々に愛されてきた歴史が醸し出すどこか懐かしく温かい空気感に包まれています。お店は2階建てになっており、1階は活気あふれるカウンター席が中心、2階は靴を脱いでゆっくりとくつろげる座敷スペースとなっています。


壁一面のサインは圧巻!楳図かずお、忌野清志郎…レジェンド達も愛した“第二の我が家”?

珉亭の2階、その座敷スペースの壁という壁を見上げれば、そこには所狭しと貼られた無数のサイン色紙が店の歴史を物語るようにびっしりと空間を埋め尽くしています。よく見ると、日本を代表する漫画家の楳図かずお先生や、孤高のキング・オブ・ロック忌野清志郎さんといった日本のサブカルチャーを文字通り牽引してきた錚々たるレジェンド達の名前も発見でき、この店がどれほど多くの表現者たちに愛されてきたかを物語っています。
甲本ヒロト、松重豊も汗を流した厨房!下北沢カルチャーと珉亭の熱く濃密な絆の物語

サブカルチャーが生まれ、育まれ、そして発信され続ける街・下北沢において、「珉亭」は単なる飲食店という枠を超えた、特別な意味を持つ“聖地”と言えると言え、若き日のTHE BLUE HEARTS・甲本ヒロトさんや、今や名優として知られる「孤独のグルメ」の松重豊さんが夢を追いかける傍ら、この店の厨房でアルバイトとして汗を流していたという事実は多くの音楽ファンやドラマファンにとってもはや伝説として語り継がれています。
さらに、小沢健二さんは自身の楽曲「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」の中で、情緒豊かに「~下北沢珉亭 ご飯が炊かれ 麺が茹でられ永遠~」と歌い上げ、人気お笑いコンビ・バナナマンのお二人も、下北沢で過ごした若き日に足繁く通った大切な場所としてその思い出を語っています。

近くの小劇場やライブハウスで日夜表現活動に励むバンドマン、俳優、そしてお笑い芸人たちにとって、この珉亭は空腹を満たすだけでなく仲間と夢を語り合い、エネルギーをチャージするかけがえのない場所だったのかもしれません。
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【豪德寺】大量の招き猫が並ぶ世田谷の珍スポット(招き猫発祥の地)
アクセス
住所:東京都世田谷区北沢2-8-8
詳しい場所をGoogleマップで確認する
電話:03-3466-7355
営業時間:11時30分~22時00分
定休日:月曜日
まとめ
サブカルチャーの聖地・下北沢で、半世紀以上にわたり時を刻み続ける伝説の町中華「珉亭」。今回は、その衝撃的なピンク色のチャーハンの秘密から、多くの著名人に愛されてきた歴史、そして「きたなシュラン」でも星を獲得したという**“愛すべききたなさ”**の奥に隠された、この店ならではの温かい魅力に迫りました。下北沢駅からわずか3分という喧騒の中にありながら、一歩足を踏み入れればそこはまるで昭和にタイムスリップしたかのような、懐かしい空気に包まれた空間。壁一面を埋め尽くすサイン色紙は、楳図かずお先生や忌野清志郎さんといったレジェンドたち、そして若き日の甲本ヒロトさんや松重豊さんがここで夢を追いかけていたという、下北沢カルチャーそのものを体現するような歴史の証人です。小沢健二さんの歌詞に永遠が歌われ、バナナマンの青春の味として語られる「ラーチャン」は、まさにこの街のソウルフードと言えるでしょう。確かに店内は年季が入り、お世辞にも綺麗とは言えないかもしれません。しかし、その「きたなさ」は、この場所で数えきれないほどの夢や希望、そして日々の営みが積み重ねられてきた証。だからこそ、多くの人々にとって、珉亭はただ食事をする場所ではなく、**心安らげる“第二の我が家”**のような、かけがえのない存在となっているのです。ピンク色のチャーハンとしみじみ美味いラーメンのセット「ラーチャン」は、一度は味わうべき逸品。そして、その味と共に、この店に染み込んだ下北沢の熱気や、訪れた人々の様々な物語を感じ取ってみてください。次に下北沢を訪れる際には、ぜひこの**“伝説の町中華”「珉亭」**の暖簾をくぐり、あなた自身の五感で、その奥深い魅力と温かさに触れてみてはいかがでしょうか。きっと、お腹も心も満たされる、忘れられない体験が待っています。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。


